2006/02/18更新
○講義概要 |
プラトン後期の大作『ティマイオス』を精読する。この作品は、中世から近世にかけてプラトンの主著とされ、コスモロジーの古典として、また世界創造の理論としてプラトン主義やユダヤ教、キリスト教思想圏で膨大な注釈書を生み出した。 授業では、ギリシア語の知識は特に前提せず、英訳本(コーンフォード)を共通の題材にして、受講者各自の予備知識に応じて、原典、邦訳、注解書を随時参照する。教科書風に矮小化されたプラトンの追認ではなく、 (1)対話の展開に息づく問題の根を注視し、行間を精密に読み抜く解釈の技法と、 (2)聴講者同士の共同作業や討議を通じて、ひとりよがりでない自分の思考を鍛え上げて行くこと、 (3)日常生活の言語経験の反省に立った哲学的センスを養うこと、が目標。 演習形式で毎回順番に担当者を決めて、訳読と論点を整理し報告してもらう。大学院と共通授業なので、レベルは高めに設定してある。意欲があれば古代哲学専攻以外の学生も歓迎する。
前期は対話篇全体の構成と、冒頭のアトランティス伝説、宇宙論の論理的性格について吟味する。後期と併せて一年かけて受講することが望ましいが、前期のみの受講も許可する。
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○評価方法 |
出席状況(20%)、授業参画(50%)、レポート(30%) 学期末レポートは5000字程度
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○テキスト |
テキストは各自で購入すること。(Amazon.com では06年2月現在¥2,242) 現物の見本は荻野研究室にある。 ただし洋書購入に慣れておらず、不安な場合は、こちらでまとめて購入してあげるので、早めに連絡せよ。 h-ogino@sophia.ac.jp F.M. Cornford "Plato's Cosmology:The Timaeus of Plato, translated with a running commentary" Hackett,1977, ISBN:0-87220-386-7 (Paperback) プラトン『ティマイオス(種山恭子訳)『プラトン全集12』収録』 岩波書店 J.Burnet ed. "Platonis Opera, Tome 4" Oxford Classical Textes
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○参考書 |
参考文献は授業中に指示する。図書館一階リザーブコーナーに揃えてある。 荻野弘之『哲学の饗宴--ソクラテス・プラトン・アリストテレス』NHK出版 2003
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○授業計画 |
1 | 授業の進め方に関する説明。テキストと参考文献の指示。 |
2 | 『ティマイオス』解釈上の問題点(講義) |
3 | 講読(報告者による分担) |
4 | 以下、同様。最終回にまとめの会を設ける。 |
5 | 同 |
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