2006/03/15更新
○講義概要 |
芸術を哲学する学問としての「美学」は理性を重んじる近代哲学の場において成立しました。それは、芸術活動が、人間的活動全体の中で大きな位置を占めていたからであると言えるでしょう。従って、近代哲学の合理主義と「美学」は密接に結びついていることになります。他方で、我々は芸術作品を「知的に理解する」というよりも「感じる」ものであると一般的に考えがちであると共に、哲学史においては古代哲学以来、芸術活動そのものに非合理性を見いだすという考え方も支配的です。例えば神秘主義的にとらえられたり、感情や感覚という人間的本性と結びつけられたりしました。このような芸術それ自体の合理性と非合理性、そして芸術に触れる我々の合理的な態度と非合理的な態度、といった、理性をめぐって交錯する諸問題について論じたいと思います。
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○評価方法 |
出席状況(10%)、リアクションペーパー(20%)、後期学期末試験(授業期間中)(70%)
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○参考書 |
竹内敏雄(編)『美学事典(増補版)』弘文堂 今道友信(編)『講座 美学 (全五巻)』東大出版会 小幡順三『美と芸術の論理』勁草書房
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○授業計画 |
1 | 授業概要 |
2 | 近代哲学の合理主義と美学 |
3 | 近代美学の出発点:バウムガルテン |
4 | 「感性的認識」と「快感情」の問題 |
5 | 美学史におけるカントとその周辺 |
6 | 主観性の哲学の立場:「趣味判断」の意義 |
7 | 「芸術哲学」の成立 |
8 | ヘーゲル美学:芸術の歴史的展開 |
9 | ヘーゲルの理性主義のもたらしたもの |
10 | 反理性主義の美学1 |
11 | 反理性主義の美学2 |
12 | 反理性主義の美学3 |
13 | まとめ |
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By:上智大学 学事センター
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