2006/02/18更新
○講義概要 |
哲学の題材は何もおカタい論文ばかりとは限らない。古今のすぐれた文学作品のなかにも豊富に見出せる。 後世の演劇の規範となった古典ギリシア悲劇から代表作をいくつか取り上げて精読し、運命、狂気、傲慢、血縁、女性など、そこに盛られた独自の古代的人間観を考察する。プラトンやアリストテレスの倫理学とは相互補完関係にある思想的奥行きを堪能しよう。 能舞台や前衛劇、映画とも比較しつつ、人間にとっての虚構(フィクション)のもつ意味を考える。 受講者の希望があれば朗読や「上演」の可能性も試みる。
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○評価方法 |
出席状況(10%)、授業参画(50%)、リアクションペーパー(10%)、レポート(40%) 数回、図書館AV教室でビデオを見る。 前衛劇団の俳優・演出家(哲学科卒業生)を一度ゲストで招く予定。
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○テキスト |
アイスキュロス (久保正彰訳)『アガメムノン』 岩波文庫 ソポクレス (藤沢令夫訳)『オイディプス王』 岩波文庫 アリストテレス (岡道男訳)『詩学』 岩波文庫
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○参考書 |
参考書は膨大なので、いずれ授業中に指示する。 ニーチェ (秋山英夫訳)『悲劇の誕生』岩波文庫 荻野弘之『哲学の饗宴』NHK出版
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○他学部・他学科生の受講 |
否 (授業内容に興味がある他学科生のためには後期開講の文学部共通専門科目科目や全学共通科目「古代の哲学」(隔年開講)の受講を勧める。)
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○授業計画 |
1 | 授業の進め方、説明と打ち合わせ |
2 | 悲劇上演の形式について(祝祭、劇場、仮面、衣装、音楽) |
3 | アイスキュロス『アガメムノン』(その1)松明のリレーと謀略の準備 |
4 | アイスキュロス『アガメムノン』(その2)絨毯の場面とカッサンドラの絶叫 |
5 | Peter Hall, Aeschyle, Agamemnon (劇場 英語版 ビデオ視聴) |
6 | ソポクレス『オイディプス王』(その1)演劇的アイロニー |
7 | ソポクレス『オイディプス王』(その2)運命と懲罰 |
8 | パゾリーニ『アポロンの地獄』(映画 ビデオ視聴) |
9 | アリストテレスの演劇論(その1)ミメ−シスの理論 |
10 | アリストテレスの演劇論(その2)カタルシスの理論 |
11 | アリストテレスの演劇論(その3)ミュトスの理論 |
12 | ニーチェの悲劇論とソクラテス問題 反悲劇としてのプラトン対話篇 |
13 | まとめの会 |
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