2006年度上智大学シラバス

2006/03/18更新
◆西洋倫理思想史Ⅰ - (前)
長町 裕司
○講義概要
2500年の歴史を持つ西洋の倫理思想の流れを通観することを目指しつつ、同時に「よく生きられる生」の倫理的熟慮にとっての今日的な問いと問題状況への展望を併せて浮き彫りにしてゆく。前期は、古代ギリシャからラテン中世までの思想史的流れ(プラトン、アリストテレス、ストア、エピクロス学派、アウグスティヌス、オリゲネス、アベラール、アンセルムス、トマス・アクィナス等)を主題とするが、特にプラトン~新プラトン主義の善の理解の影響活動史、徳論‐幸福論的なアリストテレスの倫理学理論の中世に至るまでの展開及びキリスト教的受容に光を当てることにしたい。
○評価方法
出席状況(15%)、授業参画(15%)、リアクションペーパー(15%)、前期学期末試験(定期試験期間中)(55%)
○テキスト
小坂国継 / 岡部英男 (編・著)『倫理学概説(古代ギリシャから現代まで)』 ミネルヴァ書房 2005年4月 初版
○参考書
アラスデア・マッキンタイアー『西洋倫理思想史上』九州大学出版会 1985 / 1991年
加藤尚武『現代倫理学入門』講談社学術文庫 1267 1997 / 1999 年
○必要な外国語
なし
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1導入:今日、倫理を考えることと西洋倫理思想を学ぶことの意義

 教科書について、授業の進め方、グループ発表、学期末レポートについて
2 古代ギリシャの倫理思想(1):ソクラテスとソフィスト
3 古代ギリシャの倫理思想(2):プラトン Ⅰ ― 霊魂の三分説と正義
4古代ギリシャの倫理思想(3):プラトン Ⅱ ― その後期実践哲学のア
                        リストテレスへの影響
5  古代ギリシャの倫理思想(4):アリストテレス Ⅰ - 実践哲学として
                           の倫理学
6 古代ギリシャの倫理思想(5):アリストテレス Ⅱ ― 『ニコマコス』
                倫理学の根本的思想諸要因
7 古代ギリシャの倫理学(6):ストア派とエピクロス派
8 古代の倫理学:新プラトン主義と古代キリスト教教父(アウグスティヌ
        ス、オリゲネス)
9 ラテン中世における倫理思想の展開:カンタベリーのアンセルムス(11C )とペトルス・アベラルドゥス(12C)
10 ラテン中世における倫理思想の展開:トマス・アクィナスにおけるアリス
                  トテレス倫理学の受容
11 ラテン中世における倫理思想の展開:トマス・アクィナスの徳論的-恩恵
                  論的人間形成
12 ラテン中世における倫理思想の展開:トマス・アクィナスにおける愛の理
                  論
13 キリスト教的中世の倫理的遺産とドイツ神秘主義の今日的意義

  

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