2006年度上智大学シラバス

2006/01/20更新
◆古代哲学史 - (後)
荻野 弘之
○科目サブタイトル
古典ギリシア哲学
○講義概要
 今日に至る哲学的思考の基本枠を定めたプラトン、アリストテレスを中心に、古典ギリシア哲学の成立と展開とを概観する。
 教科書的な概説は最小限にとどめ、できるだけ実際の資料や作品(邦訳)を紹介するので、受講者は自ら問題を掘り起こして考えてみること。
 現代哲学の諸問題とも交錯する最新の研究状況の一端も併せて紹介する。
 前後数回にわたり視聴覚教材を利用して、古代ギリシアの文化的な側面(美術、音楽、演劇、神話)にもふれたい。
 哲学科1年生の必修科目であるが、他学科生も受講できるように配慮する。特段の予備知識は不要。
○評価方法
出席状況(10%)、リアクションペーパー(10%)、後期学期末試験(授業期間中)(40%)、中間試験(40%)
筆記試験は各90分、持込不可。
私語・常習的遅刻は厳禁。
○テキスト
荻野弘之『哲学の原風景ー−古代ギリシアの知恵とことば』 NHK出版
荻野弘之『哲学の饗宴ーーソクラテス、プラトン、アリストテレス』 NHK出版
○参考書
参考文献については授業中に指示する。
『岩波哲学思想事典』岩波書店
高津春繁・斎藤忍随『ギリシア・ローマ古典文学案内』岩波文庫別冊
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1◎講義内容は、教科書に指定した拙著の「目次」にほぼ準拠する。

哲学史を学ぶ意味、哲学と哲学史の関係
2哲学と哲学史(哲学史を学ぶ意義)
古代哲学の時代区分と地理的範囲
3ギリシア文字の読み方、
哲学の起源
4「万物の原理」への問い(タレスとミレトス派)
5輪廻転生と宇宙論(ピュタゴラス派)
(古代ギリシアの音楽のCD)
6神話の論理と倫理(クセノパネス)
7ロゴスの逆説と遊戯(ヘラクレイトス)
8存在への旅(パルメニデス)
9現象と論理(エレア派)
10自然像の最構築(多元論と原子論)
11国際化時代の到来と相対主義の思潮(ソフィストたち)
12中間試験
13ソクラテスの伝記と真実 (クセノポンとアリストパネス)
14無知の知 (『ソクラテスの弁明』)
15哲学者の使命
16プラトン対話篇の解釈(『第七書簡』)
17本質の問いと定義の論理(『ラケス』『メノン』)
18ソクラテスの論駁法(『ゴルギアス』)
19正義と幸福(『クリトン』『国家』)
20想起説とイデア論(『パイドン』『饗宴』)
21プラトン主義とキリスト教(『パイドロス』『ティマイオス』『パルメニデス』)
22古代ギリシアの美的経験(美術のビデオ視聴)
23アリストテレスの体系と方法
24存在の究明 (『範疇論』『自然学』『形而上学』)
25実践哲学の課題(『ニコマコス倫理学』)
26学期末試験

  

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