2006年度上智大学シラバス

2006/03/08更新
◆倫理神学の諸問題 - (前)
竹内 修一
○講義概要
倫理神学の転向を、私たちは第二バチカン公会議(1962-65年)に見ることができる。二千年余りにおよぶカトリック教会の歴史において、同公会議は、最も画期的な公会議の一つである。公会議は次の二点を提示した。一つは法中心から人格中心のアプローチへのシフトであり、もう一つは聖書への立ち帰りである。倫理神学もまたこれらの刷新を経験し、17世紀以来受け継がれてきたマニュアル中心からの脱皮が図られた。公会議が公布した16の文書の中でも、『現代世界憲章』はとりわけ優れたものの一つである。今回は同憲章と『信教の自由に関する宣言』を通して、倫理神学の過去・現在・未来について検討する。授業はセミナー形式。なお登録にあたっては、原則として、「キリスト教倫理I、II」の履修を前提とする。
○評価方法
出席状況(20%)、授業参画(10%)、リアクションペーパー(20%)、レポート(50%)
授業への積極的参加(出席、授業参画、リアクション・ペーパー)を重視。リアクション・ペーパーの提出をもって、出席と見なす。4回以上の欠席は、F。学期末にレポートを要求。
○テキスト
南山大学監修『第2バチカン公会議 公文書全集』 サンパウロ、2001年
○参考書
浜口吉隆『伝統と刷新――キリスト教倫理の根底を探る――』南窓社、1996年
○他学部・他学科生の受講
可 (但し、原則として、キリスト教倫理I、IIを履修した二年生以上。)
○授業計画
1イントロダクション
2『現代世界憲章』序文(nos.1-3)、前置き:現代世界における人間の状態(nos.4-10)
3第1部 教会と人間の召命(no.11)、第1章:人格の尊厳(nos.12-22)
4第2章:人間共同体(nos.23-32)
5第3章:世界における人間活動(nos.33-39)
6第4章:現代世界における教会の任務(nos.40-45)
7第2部 若干の緊急課題(no.46)、第1章:婚姻と家庭の尊さ(nos.47-52)
8第2章:文化の発展(nos.53-62)
9第3章:経済・社会生活(nos.63-72)
10第4章:政治共同体の生活(nos.73-76)
11第5章:平和の推進と国際共同体の促進(nos.77-93)
12『信教の自由に関する宣言』
13フリー・ディスカッション

  

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