2006年度上智大学シラバス

2006/03/20更新
◆社会科・公民科教育法Ⅱ - (前)
小原 孝久
○講義概要
いま学校現場で求められている授業形態の1つとして、生徒たちが興味関心を持つことができ、また生徒たちが主体的に考えたり、発言できる授業というものがあると考えられる。高校現場の教師の視点から、そのような授業実践例をあげ、またそのような授業の構成の仕方や、そのような授業に対する考え方を示したい。具体的には、「暗記だけでない授業」「一方通行でない授業」「考える授業」「発言する授業」などの例を提示したい。また、授業指導案の作成、資料プリントの作成、視聴覚教材の活用、生徒の主体的学習の構成の仕方などを、具体例をあげながら実践的に紹介していきたい。
○評価方法
出席状況(10%)、リアクションペーパー(10%)、レポート(80%)
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1〔導入〕①教科の特性:「公民科」という教科の特徴 ②授業の特徴:暗記でない、一方通行でない、考える、発言する・・ ③授業のねらい:「自己への目」「社会への目」を育みたいという授業のねらい
2④教育方法:「暗記でない社会科」「一方通行でない授業」「生徒が考える授業」などの構成の仕方。 ⑤教育理念:なぜ教師になろうとしたのか。どのような教育実践を目指してきたのか。
3〔年間授業計画の立て方〕:①1年間の授業計画の具体例 ②知識と教養のバランス ③発表学習・スピーチ・討論・ビデオなどを、どのように授業計画に取り入れていくのか。
4〔資料プリントの作り方〕:①視覚的に興味深い資料 ②本を引用した資料 ③ガイダンス的資料(スピーチ、小論文、グループ討論、ディベートなど) ④生徒たちの文章(小論文、レポートなど)
5〔視聴覚教材の活用の仕方〕:①テレビ番組の利用 ②映画の利用 ③ビデオ等の編集 ④プロットの作り方 ⑤ビデオ用資料プリントの作り方
6〔生徒が主体的に学ぶ授業〕:①スピーチ(スピーチの具体例、ガイダンスの仕方、資料プリント)
7〔生徒が主体的に学ぶ授業〕:②グループ討論(グループ討論の具体例、ガイダンスの仕方、資料プリント、クラス全体討論) ③ディベート(テーマ例、ガイダンスの仕方、各種実践用プリント)
8〔授業実践例〕(1)(人権や平等を考える授業):①部落差別 ②在日朝鮮人問題 ③精神の自由
9〔授業実践例〕(2)(戦争や平和を考える授業):①被害者としての日本 ②加害者としての日本 ③憲法第9条を考える ④多面的な戦争の見方
10〔業実践例〕(3)(教育問題を考える授業):①能力主義と学歴社会 ②学校5日制とゆとり教育 ③東京都の教育改革 ④日本の教育問題を考える
11〔授業実践例〕(4)(プリント学習による経済の授業):①国民所得と国内総生産 ②経済成長率 ③金融政策
12〔授業指導案の作り方、授業指導案の実例分析〕:①さまざまな実践例 ②学習指導案の実例サンプル ③レポートの書き方
13〔教育実習の報告、まとめ〕:①教育実習生の現場報告 ②「学校・教育」よもやま話 ③生徒諸君のアンケートより考える ④「生徒が主体的に学ぶ」とは

  

Copyright (C) 2006 Sophia University
By:上智大学 学事センター