2006年度上智大学シラバス

2006/03/01更新
◆自然人類学Ⅱ - (後)
乘越 皓司
○講義概要
自然人類学IIでは,前期の自然人類学Iに引き続き、主に霊長類学および人類進化学の立場から人間の社会や行動の独自性を次の2側面に関して講じる。1)動物の道具行動と初期人類の文化および人類進化,2)動物の道徳類似行動(あるいは倫理)、「愛」(および情動)および自己意識などについて。動物行動の理解のため,授業ではビデオや写真等の映像資料を多用する。
○評価方法
リアクションペーパー(20%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(80%)
○テキスト
テキストは使用しない。
講義資料を適宜配布する。
○参考書
三井誠著『人類進化の700万年』、講談社現代新書 2005
ファン・カルロス・ゴメス著『霊長類のこころ』、新曜社 2005
ドゥ・ヴァール著『利己的なサル、他人を思いやるサル』、草思社 1998
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1イントロダクション、人類進化(1)人類進化の概観、地球環境の変化と直立二足歩行の起源、ビデオ(人類進化)
2人類進化(2)初期人類の多様化、脳の拡大と知能の向上
3人類進化(3)初期人類の生活(石器技術の発展、火の使用、狩猟生活)
4人類進化(4)ネアンデルタール人と現代人の誕生(ミトコンドリア・イヴ、フローレス原人の謎)
5人類進化(5)ホモ・サピエンスの生活(芸術、宗教、精神世界、農業と家畜)
6人類進化(6)言語と家族社会の起源、リアクションペーパー
7リアクションペーパーの解説、まとめ
動物の道徳類似行動(1)エソロジー(古典的行動研究、攻撃性の抑制機構)
8動物の道徳類似行動 (2)チンパンジーの道徳的能力、ビデオレポート(謎の類人猿・ボノボ 思いやり)
9動物の道徳類似行動(3)道徳性の発達(人間との比較)、リアクションペーパー
10リアクションペーパーの解説
霊長類の「愛」(1)動物の感情、情動の進化
11霊長類の「愛」(2)サルの愛情(母性愛、異性愛、父性愛)
12霊長類の「愛」(3)認知と行動の発達(人間との比較)、リアクションペーパー
13霊長類の「愛」(4)心の理論、自己意識など
リアクションペーパーの解説、まとめ

  

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