2006年度上智大学シラバス

2006/03/10更新
◆自然科学史Ⅰ - (前)
長岡 亮介
○科目サブタイトル
<思想としての科学>の再構築に向けて
○講義概要
我々の今日の文化と文明が、高度に発達した自然科学とそれに裏付けられた技術に深く依存していることはいうまでもない。むしろ近年ではそれが誰の目にも自明すぎるために、自然科学を支えている「方法」や「思想」に目が向かず、ある場合には「自然科学的見方への屈辱的な拝跪」が、ある場合には「自然科学の方法に対する単なる模倣への無批判的な隷従」が、そしてもっとも多くの場合には自然科学の成果としての技術だけにしか目が向かない「科学音痴」的「文系人間」が跋扈することになる。
本講義は、自然科学(主として天文学、物理学、数学などのいわゆる厳密科学)に、その歴史を通じて、自然科学への思想的な、あるいは‘文系的’な接近を試みるものである。
○評価方法
出席状況(15%)、授業参画(15%)、リアクションペーパー(15%)、レポート(15%)、前期学期末試験(授業期間中)(40%)
講義中での学問的に興味ある質問、学習者啓発される行動、その他予想されない活動に対して、学生の積極的な授業参加を誘引するように、出来るだけ高い評価を随時行なうという姿勢で講義に臨みたい。
○テキスト
特に指定しない。講義の中で折りに触れて推薦する。
○参考書
村上 陽一郎『文化としての科学/技術』岩波書店, 2001
山本 義隆『磁力と重力の発見(1),(2),(3)』みすず書房、2003
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1講義全体の概括的な展望(いわば講義のオリエンテーション)を与えることを主眼とする。同時に、「自然科学」についての現代の我々が共有している、漠然とはしているが、極めて強固な観念を、出席学生への質問(アンケート)等を通じて明らかにし、それが「現代的な世界観」にすぎないことの可能性を考えるため、さまざまな素材を提供して考える。

  

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