2006年度上智大学シラバス

2006/03/10更新
◆自然科学史Ⅱ - (後)
長岡 亮介
○科目サブタイトル
思想を通して見た科学
○講義概要
前期に開講される自然科学史Iが、人類のもっとも偉大な知的産物と評価される科学の中に内在する歴史性、思想性を俯瞰することを目的としていたのに対し、この自然科学史II では、哲学的な基礎概念やフレームワークの紹介を視野において科学史を講ずる。実際、科学史から出た用語で現在広く使われているものには「パラダイム」をはじめ多くの重要な思想的概念があるが、もっと広く、デカルト・カント的な近代哲学から現代的な現象学や今をときめく「臨床の知」についても、科学史的なアプローチを通じて、単なる思想史的なアプローチや流行への追随を超えた深い理解を達成することができると信ずる。本講義はこのような試みへの挑戦である。
○評価方法
出席状況(15%)、授業参画(15%)、リアクションペーパー(15%)、レポート(15%)、後期学期末試験(授業期間中)(40%)
○参考書
エドムント フッサール (著), Edmund Husserl (原著), 細谷 恒夫、木田元訳『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』中公文庫
ウィトゲンシュタイン(著), 野矢 茂樹 (翻訳)『論理哲学論考』岩波文庫
戸田山 和久『科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる』NHKブックス
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1科学史と科学哲学との関係を多様な角度から考察し、いわゆる「理系」の分野でも哲学がどれほど身近な存在であるかを示す。哲学が単なる「人生論」でも他愛ない「空想的思弁」でもなく、まさに科学的な思索の中に息ずいていることを実感してもらいたいと希望している。

  

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