2006/02/18更新
○講義概要 |
古代キリスト教思想家の最高峰であり、中世哲学を準備した教父哲学の精華,アウグスティヌスの『告白』の本文に即して,信仰と理性,懐疑と真理,恩寵と自由意志,悪の起源,比喩的聖書解釈,時間と永遠,といった西洋中世を彩る哲学的問題の幾つかを考える。ドグマの源泉としてではなく,問題を徹底的に究明していった飽くなき探究者としてのアウグスティヌスを再発見したい。 『告白』(邦訳)を毎週読み進めながらテキストに即して問題を講じるので、文庫本40頁ほどの予習が必要。
なお本講は中世哲学の「通史」ではない。
|
○評価方法 |
出席状況(20%)、授業参画(30%)、リアクションペーパー(10%)、レポート(40%) 学年末レポート(4000字程度) 聖書とキリスト教について予備知識があれば望ましいが必須ではない。
|
○テキスト |
アウグスティヌス『『告白(上・下)』服部英次郎訳』 岩波文庫
|
○参考書 |
参考書は授業中に適宜指示する。
中世思想研究所(図書館8階)は国内最大ともいえる充実した中世哲学の蔵書を誇るので、大いに利用されたい。 現在の担当者:田内千里
|
○授業計画 |
1 | 第1回 授業の進め方に関する説明、顔合わせ、 |
2 | 第2回 『告白』のレトリックの諸相 |
3 | 第3回 第1巻の問題:幼児の生 |
4 | 第4回 第2巻の問題:罪の深淵 |
5 | 第5回 第3巻の問題:学問への愛 |
6 | 第6回 第4巻の問題:友情と涙 |
7 | 第7回 第5巻の問題:善悪の二元論 |
8 | 第8回 第6巻の問題:懐疑の克服と比喩的聖書解釈 |
9 | 第9回 第7巻の問題:幸福な生の探求 |
10 | 第10回 第8巻の問題:心の内奥 |
11 | 第11回 第9巻の問題:プラトン主義とキリスト教 |
12 | 第12回 第10巻の問題:記憶と内面性 |
13 | 第13回 第11巻の問題:天地創造の意味 |
|
Copyright (C) 2006 Sophia University
By:上智大学 学事センター
|