2006年度上智大学シラバス

2006/03/01更新
◆比較環境法 - (前)
岡村 堯
○講義概要
わが国の環境法(環境基本法、環境影響評価法、有害科学物質管理法、汚染物防止・削減法、廃棄物処理法、自然保護法、環境事件の訴訟手続(公害紛争処理制度))等の考察を行い、それに関連する判例の検討を行う。環境問題に関する国際的枠組については、例えば、地球温暖化について国連気候変動枠組条約、京都議定書、オゾン層保護については、ウィーン条約及びモントリオール議定書等、有害廃棄物の越境移動についてはバーゼル条約等を検討し、これらの問題ついて、ヨーロッパ環境法、アメリカ環境法、中国環境法について比較検討を行う。
○評価方法
受講態度、報告あるいは発表の内容および期末試験成績を総合評価する。
○テキスト
大塚 直『環境法』(有斐閣)
岡村 堯『ヨーロッパ環境法』(三省堂)
環境判例百選(別冊ジュリスト、No.171)
島野・岡村・田中 編『EU入門』(有斐閣)
○参考書
稲田仁士訳『アメリカ環境法』
原田尚彦『環境権と裁判』(弘文堂)
山本浩美『アメリカ環境訴訟法』(弘文堂)
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1環境法の基本問題
日本、EUおよびアメリカ等における環境法の基本問題、例えば大気、水、土壌および廃棄物処理等について、どのような法構造になっているのか、その適用の実態について比較的考察を行う。
2環境法の基本問題(基本問題)(EU:第6次環境行動計画、日本:環境基本法、環境影響評価法)
3環境法の基本問題(大気汚染)(EU:Dirs.80/779,82/884,85/203、日本:大気汚染防止法)
4環境法の基本問題(水質保護)(EU:Dir. 80/778、日本:水質汚染防止法)
5環境法の基本問題(廃棄物処理)(EU:Dir.75/442、日本:循環型社会形成推進法、廃掃法)
6環境法の基本問題(生物多様性)(EU:Dir.92/43、日本:自然環境保全法)
7環境紛争処理手続
上記各環境法の適用をめぐる紛争について各国における行政訴訟の手続あるいは民刑事訴訟手続に従ってどのような処理が行われているかを各国の判例・事例を通じて検討する。
8同上
9同上
10国際環境法の考察と実例検討
大気については共同実施(同6条)、クリーン開発メカニズム(同12条)および排出権取引(同17条)を中心に考察する。オゾン層破壊についてはモントリオール議定書、有害廃棄物の越境汚染問題についてはバーゼル条約等を考察する。
11同上
12環境と貿易
WTO(GATT)と環境の関係についてふれる。つまり、環境保全措置と自由取引の関係、換言すれば、前者が非関税障壁にならないかどうかについてWTOの事例およびヨーロッパ裁判所の判例を中心に検討する。
13同上

  

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