2006年度上智大学シラバス
2006/03/03更新
○講義概要 |
法学未修者を対象とした刑法の講義。将来、法曹となるために必要な刑法の基本的知識を身につけてもらうために、実務的に重要な問題を具体的に取扱いながら、刑法総論・各論の全体像を呈示する。講義の前にレジメ、判例などの資料を配布し、限られた授業時間内での講義の理解を助けるなどの試みも行う。 基本概念の説明に重点を置き、実務的性格の強いものは「刑法」(2年次必修)、「刑事法総合」(3年次必修)に回すことにするが、刑法の基礎の理解のためには、判例を中心とした、かなり複雑な問題をとりあげることになる。数回のレポート提出を義務づけることによって、理解の定着、問題解決能力の向上を図る。 受講者は、初回の授業の前に、下記の教科書1(プレップ刑法)を通読しておくこと。
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○評価方法 |
出席状況(10%)、授業参画(10%)、レポート(20%)、前期学期末試験(定期試験期間中)(60%) 講義への参加と寄与を期待する。質問は、皆で議論するために、講義の間にすることが推奨される。
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○テキスト |
町野朔『プレップ刑法(第3版) (これを参照しながら講義をすすめる。)』 弘文堂・2004年 『誰のものでも良い刑法総論・各論の教科書』
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○参考書 |
芝原邦爾=西田典之=山口厚(編)『刑法判例百選総論(第5版)』有斐閣・2003年 西田典之=山口厚(編)『刑法判例百選各論(第5版)』有斐閣・2003年
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○授業計画 |
1 | 犯罪観と刑法解釈論、刑罰・制裁・処遇、罪刑法定主義 |
2 | 犯罪論の体系、故意 |
3 | 因果関係、不作為犯論 |
4 | 違法阻却事由と責任阻却事由、違法概念と違法阻却事由、可罰的違法性 |
5 | 正当防衛、緊急避難 |
6 | 責任概念と責任阻却事由、責任能力(1) |
7 | 責任能力(2)、原因において自由な行為 |
8 | 過失犯論 |
9 | 未遂犯、不能犯、中止犯 |
10 | 共犯(1) |
11 | 共犯(2) |
12 | 罪数、罪数論と一事不再理効 |
13 | 量刑論 |
14 | 犯罪各論と犯罪の体系化、刑法における生命の保護(1) |
15 | 刑法における生命の保護(2)、暴行・傷害罪 |
16 | 性的事由に対する罪 |
17 | 名誉毀損罪とプライバシー侵害 |
18 | 財産犯総説、窃盗罪 |
19 | 強盗罪、器物損壊罪 |
20 | 詐欺罪、恐喝罪 |
21 | 横領罪、背任罪、盗品関与罪 |
22 | 騒乱罪、放火罪、往来危険罪 |
23 | 偽造罪(1) |
24 | 偽造罪(2) |
25 | 公然わいせつ罪等、賭博罪 |
26 | 薬物犯罪(含む、没収、追徴、マネーロンダリング) |
27 | 公務、司法作用の保護、職権濫用 |
28 | 収賄罪 |
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