2006年度上智大学シラバス

2006/03/07更新
◆環境金融論Ⅱ - (後)
藤井 良広
○講義概要
環境対策への金融機能の活用をグローバルな視座で点検していく。環境金融論Ⅰを踏まえて、具体的な金融プレイヤーの取り組みや、基本的金融機能の応用的な展開などを検証していく。
○評価方法
出席状況(33%)、授業参画(33%)、レポート(33%)
○テキスト
藤井良広『金融で解く地球環境』 岩波書店、2005
○参考書
Sonia Labatt, Rodoney R. White『environmental finance』Environmental Finance magazine, 2002
金融機関の環境戦略研究会『金融機関の環境戦略』金融財政事情研究会、2005
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1国際公共財としての環境と金融の評価。グローバル化で変貌する環境と金融の展開について。グローバル化する国際NGOの役割も踏まえる。
2SRIから責任投資原則(PRI)への流れ。資金の出し手と受け手をつなぐ機能としてのグローバル金融の再評価の動きについて。UNEP・FIの活動を検証する。
3欧米金融機関の活動その1・シティグループ、JPモルガン・チェース、ゴールドマンサックスなどの主要米銀の環境配慮方針の点検と背景の評価。
4欧米金融機関の活動その2・欧州系のバークレイズ、ドイチェバンク、ラボなどの環境配慮方針の点検と背景の評価。マイクロファイナンスとの関係を中心にする。
5日本のメガバンクの環境配慮方針について評価。
6コミュニティでの環境配慮における金融の機能について。地域金融機関の役割、NPOバンクの活動、ミニ私募債など直接金融についても評価。
7米CRA法とCDFI制度の歴史と評価について。日本での制度化の可能性と課題を検証する。
8信託機能の活用について。信託法の改正などを踏まえて。公益信託だけでなく、金銭信託の環境活用も検討する。
9環境SPCの活用。環境証券化、CLO展開など。
10CATボンドの歴史と展開。その仕組み。
11環境プロジェクトファイナンスの多展開。廃棄物ファイナンスなどへの応用。シンジケートローン化。
12天候デリバティブの仕組みと広がり。
13排出権ファンドの展開。他の市場型環境財取引制度について。

  

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