1 | 受講生は金融と環境の基本知識を有していることを前提とする。環境と金融が接点を持つ基本的な背景を概説する。経済的手段の中における金融手段の位置づけ。多様な金融手段の点検。 |
2 | 金融が環境に接していく歴史的経緯と展開を踏まえ、BIS新規制などで問われる金融機関の新リスクマネジメントでの位置づけをみる。信用リスクとしての環境リスクを評価する。 |
3 | 環境金融においては、債権者債務者の関係だけでなく、投資家、預金者という資金の出し手の役割も重視する。資金の出し手のニーズの変化を構造的にとらえる。 |
4 | 間接金融手段の貸し出し機能の環境配慮度合いを評価する。環境配慮融資をめぐるリスク管理の手法を点検する。 |
5 | 日本政策投資銀行の環境配慮格付け融資をモデルとして、環境リスクの評価システムを考慮する。 |
6 | オランダの政府と金融機関が一体となったGFS制度を検証し、環境配慮優遇金利の収益性を評価する。他の欧州諸国の類似制度についても比較検証する。 |
7 | 環境コビナンツ融資の活用や取引費用削減などのインセンティブ制度の活用と効果を検証する。 |
8 | 保険機能を環境配慮に活用するための基本理論の検証。逆選別問題と大数の法則。 |
9 | 土壌汚染対策と汚染賠償保険の展開について。アスベスト問題をケーススタディに。 |
10 | 保険が活用する保険外機能、エコカー割引やリサイクル促進制度の概要について。 |
11 | 直接金融手段であるSRIファンド、エコファンドの仕組みの解説。ESGのスクリーニング手法について。 |
12 | IFCの環境配慮基準と民間のエクエーター原則の展開について。国際プロジェクトファイナンスの評価を中心に。 |
13 | 温暖化ガス排出権取引で活用される金融手法。市場活用とファンド化の展開。 |