2006年度上智大学シラバス

2006/02/07更新
◆自然保護法 - (後)
畠山 武道
○科目サブタイトル
Wild by Law:法は野生生物を保護できるのか
○講義概要
 身近な河川・湖沼の自然から山奥の大自然まで、あるいはメダカからトキまで、法律が自然生態系、野生生物をどのように保護し、また、どのように保護できていないのかを学ぶ。自然保護に関する法律は多数あるが、どれも一長一短で、十分な対策が講じられないままに、自然界から貴重な動植物種がまたひとつ姿を消している。このままの状態が続けば、いずれ生物種である人類も消滅せざるをえないだろう。ファッションではなく、地球の未来を見据えて、真剣に自然保護のあり方を考える。
○評価方法
レポート(30%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(70%)
○テキスト
畠山武道『自然保護法講義(第2版)』 北海道大学出版会、2004年
○参考書
畠山武道・柿澤宏昭『生物多様性保全と環境政策ー先進国の政策と事例に学ぶー』北海道大学出版会、2006年
沼田眞『自然保護ハンドブック』朝倉書店、1998年
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1(10月3日)自然保護の歴史、自然保護思想の転換、生物多様性保護、ニューエコロジー
2(10月10日)自然保護法の基本原則:環境権、公共信託と入浜権、エコシステム管理
3(10月17日)森林保護(1):森林の現況、戦後日本の森林政策、森林・林業基本法
4(10月24日)森林保護(2):森林計画、保安林制度、林地開発許可、大規模林道
5(10月31日)河川生態系保護:河川管理の歴史、河川法、河川管理と住民参加、砂利採取
6(11月7日)ダムと生態系:ダムの生態系への影響、「ダムの時代は終わった」、ダム撤去の法律問題
7(11月14日)海岸・湿地生態系:海岸湿地・干潟の役割、海岸法、公有水面埋立法
8(11月21日)ラムサール条約と湿地保護:ラムサール条約と登録湿地、ついでに世界遺産条約
9(11月28日)自然景観の保護(1):国立公園の誕生(世界、日本)、世界の国立公園、自然公園法
10(12月5日)自然景観の保護(2):多すぎる利用者、エコツーリズムの夢、自然環境保全法と原生自然
11(12月12日)野生生物保護と鳥獣保護:狩猟鳥獣保護法、狩猟の規制、鳥獣保護区、有害鳥獣捕獲
12(12月19日)種の絶滅の防止:種の絶滅の現況、進まない対策、天然記念物、種の保存法
13(1月16日)野生生物の取引規制:ワシント ン条約、外来生物法、カルタヘナ法
14(予備日)総合討論:自然をどう保護するか

  

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