2006年度上智大学シラバス

2006/03/10更新
◆国際開発協力研究:中東 - (後)
清水 学
○科目サブタイトル
構造的変動と開発の課題
○講義概要
 イラク戦争・パレスチナ問題など政治的激動に揺れる中東・北アフリカですが、その経済社会を次の4つの点から解明します。第1に、国際的への最大の石油供給地域。またオイル・マネーが国際金融市場に与える影響。第2に、水資源の制約。第3に、経済の市場経済化と民営化の影響。第4に、地域によって多様ですが、途上国が共有する失業・貧困など社会経済問題。第5に、イスラーム金融・銀行などイスラームを基礎とする新たな経済金融コンセプトの推進役です。以上の視点を踏まえて開発と国際協力の課題と可能性を探ります。
○評価方法
出席状況(30%)、授業参画(20%)、レポート(50%)
○テキスト
 特に指定はしませんが、今日的な新鮮な動きを話題にしますので、テレビ・内外の新聞などでの中東関係に関する記事には目を向けてください。
 毎回、講義用のレジュメを準備します。
○参考書
講義の都度、必要に応じて関連する参考書を指示します。
○必要な外国語
英語
○他学部・他学科生の受講

○ホームページURL
講義開始時までに講義概要HPをつくり、ここに掲示します。
○授業計画
1イントロダクション
―中東北アフリカ経済の今日的関心と特徴
2中東経済の国際経済への影響(1)
―石油ガス輸出が与える中東への直接的間接的影響
3中東経済の国際経済への影響(2)
―OPEC(石油輸出国機構)と国際石油メジャー(巨大国際石油会社)の現段階の相互関係
4中東経済の国際経済への影響(3)
―オイルマネー(石油輸出収入)の国際金融市場への影響
5中東経済の直面する課題(1)
―工業化はなぜ困難か 「オランダ病」の話
6中東経済の直面する課題(2)
―農業と水資源制約
7中東経済の直面する課題(3)
―「社会主義」から市場化へ 主としてエジプトの事例
8中東経済の直面する課題(4)
―深刻な人口・雇用・教育関連の課題
9イスラーム経済(1)
―マイクロ・ファイナンスと無利子金融
10イスラーム経済(2)
―イスラーム銀行・金融システムの構造
11イスラーム経済(3)
―国際化したイスラーム銀行と国際金融への影響
12中東の地域経済統合(1)
―GCC(湾岸協力機構)など地域経済統合の動き
13中東の地域経済統合(2)
―EUと中東、トルコのEU加盟問題
14中東経済と日本(1)
―日本と中東の経済関係の歴史
15中東経済と日本(2)
―日本の対中東経済技術協力の歴史

  

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