2006年度上智大学シラバス

2006/02/21更新
◆国際開発協力研究:東南アジア(2) - (後)
長瀬 理英
○講義概要
本クラスの主目的は、協力する側とされる側の間にあるギャップにはどのようなものがあるか、なぜ生じるのか、どのように改善していけば良いのかについて、政府および非政府(NGO)のアプローチ各々から議論することにある。そして、「開発協力」の概念について、援助から社会運動、そして市民協力へと広げていく方向性を展望したい。主として、東南アジアの事例を取り上げるが、他の地域にも目を配りながら進めていきたい。
○テキスト
毎回、レジュメを配布する。
○参考書
授業の中で紹介していくが、以下に欧文書を挙げておく。
Alan Fowler "Striking a Balance: A Guide to Enhancing the Effectiveness of Non-Governmental Organizations in International Development" Earthscan, 1997
Jeffery Sachs "The End of Poverty: How We Can Make It Happen in Our Lifetime" Penguin Books, 2005
Robert Chambers "Ideas for Development" Earthscan, 2005
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1オリエンテーション
2政府による援助(ODA):国益と普遍的価値の優先順位「繁栄」(1)-①国連ミレニアム開発目標(MDG)
3政府による援助(ODA):国益と普遍的価値の優先順位「繁栄」(1)-②貧困削減に対する異なるアプローチ
4政府による援助(ODA):国益と普遍的価値の優先順位「安全」(2)-①国際関係、「国際貢献」
5政府による援助(ODA):国益と普遍的価値の優先順位「安全」(2)-②「テロとの戦い」、「平和構築」
6NGOによる「援助」とギャップ-外部者の介入、非対称関係
7援助供与・受取側のギャップを埋めていくために(1)ODA-①トップダウン型の大規模インフラ・プロジェクト
8援助供与・受取側のギャップを埋めていくために〈1〉ODA-②社会・環境配慮ガイドラインと事後評価
9援助供与・受取側のギャップを埋めていくために〈1〉ODA-③オルタナティブ・アプローチ(権利とリスク)
10援助供与・受取側のギャップを埋めていくために(2)NGO-①民衆中心・参加型、プロジェクト・アプローチから開発介入アプローチへ
11援助供与・受取側のギャップを埋めていくために(2)NGO-②社会運動との関係
12援助供与・受取側のギャップを埋めていくために(3)-ミクロ・レベルでの貧困削減アプローチ:成長中心と持続的生計
13今後の国際開発協力のあり方-専門集団による協力から市民協力へ

  

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