2006年度上智大学シラバス

2006/03/01更新
◆近世特研Ⅱ - (後)
川村 信三
○科目サブタイトル
欧文著作の日本的文化混淆の軌跡をたどる
(Cultural Hybridization の一事例として)
○講義概要
1590年、イエズス会宣教師アレッサンドロ・ヴァリニャーノにより、わが国に最初の活版印刷機が機動しはじめた。その出版物は「キリシタン版」として知られるものであるが、そのなかには、東西文化の「接続された」歴史を考えるうえできわめて重要な文献がふくまれている。今回考察するのは、15世紀ヨーロッパで書かれ絶大な支持をえたImitatio Christiの日本語版『こんてむぷつすむんじ』である。ラテン語版と日本語版には相違があり、日本語版編集者は、日本の土壌、心性を考慮したうえで、原文から取捨選択した形跡が認められる。その選択の際、どのようなことが考慮されたのか。日本人にとってキリスト教の修徳書はいかなる役割を果たしたのかを考察する。
○評価方法
出席状況(50%)、授業参画(30%)、レポート(20%)
○テキスト
Thomas a Kempis, B. J. H. Biggs ed. "The imitation of Christ : the first English translation of the "Imitatio Christi"" Oxford: Oxford University Press, 1997
トマス・ア・ケンピス 尾原悟編『コンテムツスムンヂ (キリシタン研究第39輯)』 教文館 2002年
○参考書
J. van Engen "Devotio Moderna" New York: Paulist Press, 1988
○必要な外国語
英語 初級ラテン語
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1導入
2トマス・ア・ケンピスをめぐる環境(1)西洋史的アプローチ
3トマス・ア・ケンピスをめぐる環境(2)西洋史的アプローチ
4キリシタン版の成立背景(日本キリスト教史概論)
5原文講読(ラテン語原文 キリシタン版の比較研究)(1)
6原文講読(ラテン語原文 キリシタン版の比較研究)(2)
7原文講読(ラテン語原文 キリシタン版の比較研究)(3)
8原文講読(ラテン語原文 キリシタン版の比較研究)(4)
9原文講読(ラテン語原文 キリシタン版の比較研究)(5)
10原文講読(6)
11原文講読(7)
12原文講読(8)
13まとめ

  

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