2006年度上智大学シラバス

2006/03/22更新
◆美学芸術学Ⅰ - (前)
樋笠 勝士
○科目サブタイトル
リクール『時間と物語』を読む。
○講義概要
 リクールの『時間と物語』の第一部第3章「時間と物語」を読みます。彼が、アウグスティヌス『告白』による時間経験のアポリアの分析と、アリストテレス『詩学』による「筋・物語」の解読とを通じて、両者を総合する仕方で提案した「三重のミーメーシス」の概念を学びます。
「ミーメーシス(模倣的再現)」は、プラトンやアリストテレスによって論じられてきた美学の古典的概念です。それをリクールは捉えなおし、「時間」や「物語」などの概念とともに、解釈学的な視点から新たな概念をつくりだしました。その新旧の概念の差異を考察することを通じて、「ミーメーシス」について理解を深めていきたいと思います。
○評価方法
出席状況(20%)、授業参画(30%)、レポート(50%)
フランス語ができない人は英訳を使うことになりますが、それでもフランス語原典を読み解くつもりで参加してください。
○テキスト
Paul Ricœur『Temps et Récit,Tome 1』 Éditions du Seuil,1983
Paul Ricoeur(tr.by K.Blamey & D.Pellauer)『Time and Narrative vol.1』 University of Chicago pr.1990
○必要な外国語
仏語または英語
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1イントロダクション、テキスト配布、「ミーメーシス」について
2以下、講読

  

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