2005年度上智大学シラバス

◆小集団論 - (通)
田中勉
○講義概要
社会生活における様々な集団現象を対象とし,そのメカニズムを考察することを目的とする。代表的集団研究をとりあげながら,社会学および社会心理学の領域における集団分析の枠組みを学ぶことから始める。
経済・経営・教育・福祉などのシステムにおける社会技術としての集団活動を視野に入れ、参加と離脱・集団構造・影響過程・リーダーシップ・集団意志決定等の具体的テーマを取り上げる。開講時に文献リストを配布する。
○評価方法
レポート(40%)、前期学期末試験(授業期間中)(10%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(50%)
○参考書
亀田達也・村田光二『複雑さに挑む社会心理学』有斐閣,2000年
蜂屋良彦『集団の賢さと愚かさ』ミネルヴァ書房,1999年
吉田道雄『人間理解のグループ・ダイナミックス』ナカニシヤ出版,2001年
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1はじめに-講義のねらい、参考文献、評価方法、講義の進め方の説明
2社会学における集団への関心-集団はどう論じられてきたか
3集団を分ける-分類の目的と基準はなにか
4「スモール・グループ」研究の意味と意図
5集団をとらえる視点:どこに着目するか・何を問題にするか
6リーダーシップ概念を材料に考える
7リーダーシップと集団の業績(成果)-集団分析の変数図式
8リーダーシップ研究の歴史(1)-特性論から行動論へ
9リーダーシップ研究の歴史(2)-集団の機能領域、条件即応モデル
10集団の生成・発展・解体プロセス
11参加と離脱-参加動機づけのパターン
12集団参加の形式:自由と強制、現代における個人の集団生活
13「社会的交換論」から考える集団参加のメカニズム
14入会儀礼・集団魅力の源泉・離脱と自己概念
15集団構造-構造化・組織化・制度化
16集団規範と成員行動
17集団内影響過程-同調と逸脱、マイノリティ・インフルエンス
18集団意思決定-「リスキーシフト」・「集団極化現象」・「グループシンク」
19集団に働く「力」-地位分化と「勢力」
20権威と権力-勢力の基盤
21社会技術としての集団(1)-経済・経営システムにおける集団の構造と機能
22社会技術としての集団(2)-教育・福祉システムにおける集団の構造と機能
23社会技術としての集団(3)-組織化・産業化された社会における集団と個人
24集団とかかわる個人-「社会的自己同一性」・「自己カテゴリー化理論」
25依存と自立:「社会的交換」の視点から
26まとめ-集団と個人-

  

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