2005年度上智大学シラバス

◆教育学特殊講義Ⅰ-ドイツの教育思想- - (前)
今井重孝
○科目サブタイトル
ルドルフ・シュタイナーを基軸として
○講義概要
 世界で800校を超えるシュタイナー学校。そこでの教育は、教科書を使わない、言葉や詩による通知表、短期集中型授業、芸術を重視する授業、点数競争のためのテストはしないなどユニークな教育法上の特徴を持っている。このシュタイナーの教育思想は、私の見るところ、21世紀の教育思想というにふさわしい内容のものなので、この教育思想を基点におきながら、重厚な他のドイツの教育思想との距離を測りつつ、ドイツ教育思想の理解を深めることを目指す。
○評価方法
出席状況(20%)、リアクションペーパー(20%)、レポート(60%)
○参考書
広瀬俊雄『シュタイナーの人間観と教育方法』ミネルヴァ書房 1988年
金子茂編集『現代に生きる教育思想4-ドイツ(Ⅰ)』ぎょうせい 1881年
天野正治編集『現代に生きる教育思想5-ドイツ(Ⅱ)』ぎょうせい 1982年
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1最初は、シュタイナーの思想と教育の簡単な紹介と
講義全体の概説を行なう。
2シュタイナーの思想形成についてⅠ
3シュタイナーの思想形成についてⅡ
4ゲーテとシュタイナー
5ニーチェとシュタイナー
6シュタイナーとの対比により、ヘルバルトの教育思想を位置付ける。
7「自由の哲学」について
8「哲学の謎」について
9「精神科学から見た子どもの教育」について
10シュタイナーの「教育の基礎としての一般人間学」について
11シュタイナー教育を支えている12感覚論について述べる。
12シュタイナー思想を支えている社会の三分節化構想について述べる。これは、シュタイナーの描く未来社会の構想である。
13生ける教育学と死せる教育学の対比に着目しながら今までの講義全体を総括した話をする。

  

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