2005年度上智大学シラバス

◆ブラジル経済論 - (前)
小池 洋一
○講義概要
20世紀末にブラジルは輸入代替工業化から経済自由化・開放へと開発方式を大きく転換した。市場原理を基礎とする新しい開発方式は、経済の安定を実現した一方で、失業、金融危機などをもたらした。貧困、不公正な分配の問題もなお解決していない。そうしたなかルーラ政権のもとで連帯経済など問題を緩和する政策が試みられている。授業では、ブラジル経済のこれまでの発展過程、発展の仕組み(構造)と、新たな開発に向けての挑戦を、世界的、歴史的な脈絡のなかで論じる。
○評価方法
出席状況(20%)、授業参画(20%)、前期学期末試験(授業期間中)(60%)
○参考書
堀坂浩太郎編『ブラジル新時代-変革の軌跡と労働者政権の挑戦』勁草書房・2004年
A. C. de Lacerda et al.『Economia Brasileira』Editora Saraiva, 2004
小池洋一他編『現代ブラジル事典』新評論・2005年刊行予定
○必要な外国語
なし
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1ブラジル経済への視点―歴史・世界との関連
2一次産品輸出経済―その起源と発展
3開発と政治体制
4輸入代替工業化とビッグプッシュ
5失われた時代へ―対外債務危機とインフレ
6市場への海へ―経済の自由化・開放
7地域統合と経済発展
8経済グローバル化と多国籍企業
9二つの貧困―絶対的貧困と不公正な所得分配
10失われる雇用―失業と不正規雇用
11児童労働―開発と教育
12社会経済-新自由主義を超えて
13試験(授業中試験)

  

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