2005年度上智大学シラバス

◆資本市場論Ⅰ - (前)
菅原周一
○講義概要
本授業では、現在の日本経済において重要な役割を担っている資本市場について、概観します。前期では、資本市場のこれまでの歴史を振り返りながら、投資理論の基礎と株式について解説する予定です。また、実践的な分析力を養うために、講義と並行してパソコンを利用した演習課題を多く取り入れます。そして、この講義の最後には、受講者全員が資本市場のあり方について、合理的、論理的な考え方の基礎が身に付き、資本市場に関する簡単な分析ができるようになるとともに、資本市場のあるべき姿が議論できるようになることを目的とします。授業は講義形式で行い、数式の使用は最低限に努め、資本市場に関する本質的で重要な事柄が理解できるよう、平易に解説を行うよう心がけます。
○評価方法
以下の要素毎の合計点で評価を行う予定です。
・ コメントシートの提出(12回:2点/回で最大20点まで)
・ 演習課題提出(3回:1~5点/回:15点満点)
・ レポート提出課題の提出(1回:65点満点)
・ アンケート回答、その他(+α)
○テキスト
毎回授業でレジメを配ります。
○参考書
必要に応じて授業で紹介します。
○必要な外国語
なし
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1第一回 イントロダクション/資本市場とは何か
・イントロダクション
1)授業の目的、概要、進め方、評価の方法について
2)論文やレポートの書き方の基本的なルールについて
・資本市場とは何かを理解する
2第二回 資本市場への投資とその意義
・投資に関する基礎的事項の確認
・ 資本市場への投資の意義
3第三回 資本市場の変遷
・ 資本市場の誕生と発展
・ 日本における資本市場の変遷
・ 過去からの示唆
4第四回 バブルの歴史
・ これまでのバブルの歴史
・ 日本のバブル
・ バブルの歴史から学ぶもの
5第五回 資本市場の特徴と課題
・資本市場の特徴、歴史を理解する
・ 資本市場の過去のパフォーマンスを知る
・ 資本市場の課題を認識する
6第六回 市場の参加者(資本市場の主要参加者の行動を理解する)
・ 個人金融資産の現状
・ 年金(公的年金、企業年金)
・ 投資信託
・ 郵貯と簡保
7第七回 現代投資理論の発展(ポートフォリオ選択論)
・2資産の投資機会集合
・3資産以上への拡張
・効用関数と最適ポートフォリオ
8第八回 現代投資理論の発展(資本資産価格理論)
・資本資産評価モデル
・資本市場線と証券市場線
9第九回 現代投資理論の発展(裁定評価理論と市場の効率性)
・裁定評価理論
・市場の効率性
・市場の効率性に対する反証例
10第十回 株式市場と投資(株式市場の特徴)
・株式市場の特徴を理解する(リスクとリターン)
・株式とは何か
・NPVとIRR
11第十一回 株式市場と投資(株式価値評価方法の実際)
・株式価値評価方法の分類
・当割引モデルとその類型
・FCFEモデルとその類型
12第十二回 株式市場と投資(行動ファイナンスと株式運用戦略)
・行動ファイナンスとは何か
・株式運用戦略の実際
・行動ファイナンスの株式運用戦略への応用
13第十三回 資本市場の課題、まとめ
・ 資本市場の課題
・ 講義のまとめ

  

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