2005年度上智大学シラバス

◆意思決定論 - (後)
青木英孝
○講義概要
我々は,意識的にせよ無意識的にせよ意思決定を行いながら日常生活を送っています。この意思決定は個人で行われる場合もあれば,組織において集団で行われている場合もあります。本講義の大きな目的は,意思決定に関係する基礎知識の習得を通じて,より質の高い意思決定を行えるようになることです。そのためには,人間が情報を解釈し判断する際の“癖”を理解する必要があります。本講義では,いくつかの実験や簡単な問題を解くことによって,意思決定に関する理解を深める予定ですので,積極的な気持ちで参加して下さい。なお,本講義に関連する学問領域は,認知心理学,実験経済学,行動ファイナンスなどですが,テキストは使用せずにレジュメを配布する予定です。また,参考書等は適宜紹介することにします。
○評価方法
出席状況(20%)、レポート(20%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(60%)
「出席状況」に「授業参画」と「リアクションペーパー」を含める場合もある。
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1イントロダクション
:講義概要,課題(レポート),評価方法の説明等
2投資の意思決定
:株式投資のケース
3意思決定のプロセス
:目的,目標,情報,代替案,リスク,評価,選択
4規範論的意思決定と実証論的意思決定
:決定前提,限定合理性,最適化原理と満足化原理
5認知能力
:情報処理システムとしての人間,記憶
6ヒューリスティックス
:フレーム,メンタルアカウンティング,利用可能性,アンカリングと調整
7データ解釈の問題
:信頼性,予測,バイアス
8自信過剰と自己正当化
:キャリブレーション,知識の錯覚,認知的不協和
9因果関係
:帰納と演繹,見かけの上の相関
10プロスペクト理論Ⅰ
:価値関数
11プロスペクト理論Ⅱ
:ウェイト関数,リスク
12集団の意思決定
:利点と問題点
13意思決定階層論
:戦略的決定と業務的決定,定型的決定と非定型的決定

  

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