○講義概要 |
現在最も重要な社会問題である医療・介護制度の抱える諸問題について講義する。経済学のツールを講義中に復習しつつ、最新の研究成果を交えて講義する。 講義内容は、前期においては日本の医療制度の概要や問題点について網羅的に経済学のツールを使って説明する。後期においては幾つかの論点について選択して深掘りした講義を行う。 本講義の単位修得を希望する学生は自分が医療・介護制度に対して抱く疑問や興味を持って講義中に行われるディスカッションに参加することになる。前期末までに自分が執筆しようと考えるレポート概要を提出することと、後期末にレポート報告会を開催するのでそこで自らのレポートを報告し、他の学生のレポートに対してコメントをすることを求められる。 出席は敢えて求めていない。また評価の対象ともならない。しかし、本講義は講義に出席している学生とそうでない学生の努力の差がレポート報告会において如実に現れる。 単位取得のみを目的とする学生が履修申請するには極めて非効率的な科目であり、医療・介護制度に興味・疑問を持つ学生、しっかり勉強をしてみたい学生、には好適な科目となるよう努力と情熱を傾けて講義する。
|
○評価方法 |
授業参画(10%)、リアクションペーパー(20%)、レポート(70%)
|
○授業計画 |
1 | ガイダンス:講義の概要等説明 |
2 | 人の一生と医療との関わり |
3 | 医療需要の経済学的説明:健康資本論 |
4 | 患者の受診と価格の関係:医療需要関数について |
5 | 患者の医療機関選択 |
6 | 期待効用仮説と保険理論 |
7 | 医療保険の性質と経済学的帰結 |
8 | 保険者の分析:費用構造とリスク構造 |
9 | 生産と費用:費用最小化と利潤最大化 |
10 | 医療機関の組織と行動の分析 |
11 | 診療報酬と薬価制度(価格規制) |
12 | 医療設備・機器をめぐって |
13 | 医療・介護の人材確保 |
14 | 健康診断の歴史と展望 |
15 | タバコと健康 |
16 | 慢性疾患と医療費 |
17 | 高齢化と医療・介護:何が問題なのか |
18 | 医療・介護の費用と財源のバランス |
19 | 費用の決め方・決まり方 |
20 | 政治過程と利益団体 |
21 | 計画的手法の神話と現実 |
22 | 技術を如何に評価するか |
23 | 保険者の役割再考 |
24 | 人の一生と医療との関わり再論:日常での選択と終末期での選択 |
25 | レポート報告会:その1 |
26 | レポート報告会:その2 |
|
Copyright (C) 2004 Sophia University
By:上智大学学事部学務課
|