2005年度上智大学シラバス

◆法哲学 - (通)
奥田 純一郎
○講義概要
この講義は、法の目的としての「正義」の考察(正義論)を中心に、法の概念・法的思考のあり方、生命倫理・環境問題など、現代における法的諸問題について考察する。各人の価値観が多様化し、その共有が困難な現代において、安易な価値相対主義にも特定の価値の強制にも陥らずに共存しうることを保障する原理としての法・正義とは何か。無前提的・規範的・制度論的に考えて欲しい。
○評価方法
レポート、後期学期末試験(定期試験期間中)
評価は原則として年度末の試験のみで行うが、任意提出のレポートがあれば試験での評価に加点する。ただし、レポートのみで単位を与えることはないので注意すること。
○テキスト
井上達夫『共生の作法』 創文社 1986年
○参考書
田中成明『法理学講義』有斐閣
ホセ・ヨンパルト『法哲学案内』成文堂
平野・亀本・服部『法哲学』有斐閣
○必要な外国語
なし
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1はじめに―法哲学とは何か?
2正義論は可能か?(1)―諦観的平和主義
3正義論は可能か?(2)―階級利害還元論
4正義論は可能か?(3)―価値相対主義(1)
5正義論は可能か?(4)―価値相対主義(2)
6正義論は可能か?(5)―価値相対主義(3)
7正義論は可能か?(6)―価値相対主義(4)
8正義論は可能か?(7)―価値相対主義(5)
9正義の概念(1)―正義の概念と諸構想
10正義の概念(2)―否定的アプローチ
11正義の概念(3)―エゴイズム論
12正義の構想(1)―功利主義(1)
13正義の構想(2)―功利主義(2)
14正義の構想(3)―公正としての正義(1)
15正義の構想(4)―公正としての正義(2)
16正義の構想(5)―権利としての主義(1)
17正義の構想(6)―権利としての主義(2)
18正義の限界(?)―ケア、パターナリズム、共同体
19正義の役割と射程―正義の人間学的基礎
20法概念論(1)―正義と法の関係
21法概念論(2)―強制としての法
22法概念論(3)―ルールとしての法
23法概念論(4)―純一性としての法
24法概念論(5)―とりあえずの結論
25法哲学各論(1)―自己決定権総論
26法哲学各論(2)―死における自己決定
27法哲学各論(3)―生のはじまりと法
28法哲学各論(4)―医学と法
29法哲学各論(5)―生命倫理と環境倫理の間に
30法哲学各論(6)―参加・伝統・民主主義

  

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