2005年度上智大学シラバス

◆地域保健論 - (前)
高原亮治
○科目サブタイトル
地域保健および公衆衛生の概要
○講義概要
保健医療福祉の一体的推進が重要であるといわれている現在、社会福祉の専門家にとって、隣接領域である保健、医療の概要を知っておくことは必須条件である。この講義では福祉と関係のふかい地域保健を中心に公衆衛生の制度と考え方を学ぶ。前半は地域保健の制度を市町村、保健所、都道府県、厚生労働省の機能について概説する。またそれを支える行財政制度を紹介する。後半は地域保健の焦点となっている健康増進と介護予防、災害や新型インフルエンザ、バイオテロなどの健康危機管理を各論として取り扱う。関連領域である労働衛生、学校保健についても論ずる。
○評価方法
授業参画(20%)、レポート、前期学期末試験(定期試験期間中)(80%)
○テキスト
中谷比呂樹 高原亮治 共編『地域保健』 医療文化社 2005(予定) 未刊の場合はプリント
『衛生行政大要』 日本公衆衛生協会
C M G バテリー『公衆衛生のための行政ハンドブック』 保健同人社 1998
○参考書
『国民衛生の動向 最新版』厚生統計協会
辻 一郎『のばそう健康寿命』岩波書店
厚生労働省『厚生労働白書平成16年度版』
○他学部・他学科生の受講

○ホームページURL
www.dr-takahara.info  工事中
○授業計画
1講義予定、教科書参考書の紹介。公衆衛生の理念と歴史。日本国憲法と
公衆衛生。公衆衛生を支える諸科学。公衆衛生と地域保健。地域保健と地域福祉。
2地域保健の諸制度Ⅰー市区町村における地域保健。基礎的自治体としての市区町村。地域保健法。母子保健法。老人保健法。国民健康保険と介護保険。
3地域保健の諸制度Ⅱー都道府県における地域保健。都道府県の意義。食品衛生。環境衛生。医療行政。薬事行政。保健所。福祉と保健の連携
4地域保健の諸制度Ⅲー国に於ける保健行政。国家行政組織。旧厚生省における地域保健関連行政。厚生労働省の組織と機能。
5地域保健の諸制度Ⅳー公衆衛生法規の立法。国家財政と地方財政。行財政改革。
6地域保健の諸制度Ⅴー地域保健の指標。計画と実施。マネージメント。
地域保健で働くひとびと。地域保健と地域組織。
7地域保健の科学と技術ー疫学。古典的疫学。慢性疾患の疫学。臨床医学の論理学としての疫学。介入の評価。予防接種。健康診断。
8リスク管理と地域保健。リスク分析。リスク評価。有閾値モデルと無閾値モデル。放射線のリスク。規格基準の決定方法。急性中毒、慢性中毒発ガン性。遺伝毒性。催奇形性と作用時期。食品添加物。残留農薬。水質。
9健康つくりと介護予防。健康日本21と健康増進法。介護保険と介護予防
栄養。運動。休養。メンタルヘルス。ポピュレーションアプローチ。
ハイリスクアプローチ。ケアマネージメント
10健康危機管理。危機管理の原理と実際。災害。災害管理の実際。トリアージ。軍事組織の災害への投入と自衛隊の災害派遣。NBCテロ。新興再興感染症。国際レベルの健康危機管理連携。SARS。鳥インフルエンザ。
11地域保健の隣接分野Ⅰー労働衛生。労働衛生の歴史。労働基準法。労働安全衛生法。職場のメンタルヘルス。
12地域保健の隣接分野Ⅱー学校保健。学校保健法。教育委員会。学校長。校医。養護教諭。学校検診。保健教育。思春期の性。いじめ・ひきこもり
養護学校。環境保健。公害病。環境ホルモン
13地域保健の未来と展望。公衆衛生学。公衆衛生学校。公衆衛生の専門家。

  

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