2005年度上智大学シラバス

◆ドイツ文学概説 - (通)
北島玲子
○講義概要
ドイツ文学の流れを、具体的なテキストに沿いつつ、歴史、文化、思想という背景に照らしながら辿っていく。音楽や美術や映画などとの関わりも含めて、総合的、複合的にみてゆくことによって、ドイツ文学のもつ多様なおもしろさが伝わればと思う。とはいえ、授業で触れることのできるのはごく限られたものでしかない。授業をひとつのきっかけとして、自分で色んなものを読み、聴き、観てほしい。
○評価方法
出席状況(20%)、授業参画(20%)、リアクションペーパー(10%)、レポート(20%)、後期学期末試験(授業期間中)(30%)
○テキスト
柴田翔『はじめて学ぶドイツ文学史』 ミネルヴァ書店
○必要な外国語
ドイツ語
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1導入
2古代ゲルマン英雄叙事詩:『ニーベルンゲンの歌』
3ファウスト伝説:民衆本『ファウスト』(vgl.ゲーテ、マン)
4小説の始祖:グリンメルスハウゼン『ジンプリチスムスの冒険』
5市民悲劇:レッシング『エミリア・ガロッティ』
6詩と音楽:ドイツ歌曲
7近代小説:ゲーテ『若きヴェルターの悩み』
8ロマン派とメルヒェン:ノヴァーリス
9短編小説の魅力:クライストの短編
10        詩的リアリズの短編
11喜劇:クライスト『こわれがめ』
12幻想と現実:ホフマン『砂男』
13社会批判と狂気:ビュヒナー『ヴォイツェック』
14オペラ(楽劇)の魅力
15まとめ
16後期の導入
17世紀転換期のヴィーン
18小説とメタ小説:トーマス・マン
19都市小説
20カフカの小説
21批評とエッセイ:ムージル『特性のない男』
22アウラの消滅:ベンヤミン
23サブカルチャーの台頭:ブレヒト『三文オペラ』
24ファシズムとの戦い
25廃墟の文学:放送劇と掌編小説
26小説の復活:ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』
27大衆の時代:カネッティ『群衆と権力』
28東ドイツの文学
29ドイツ語文学の現在
30試験

  

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