2005年度上智大学シラバス

◆国文学演習Ⅱ - (通)
三田村 雅子
○科目サブタイトル
歴史と語りの観点からみた枕草子
○講義概要
枕草子の日記的章段を通時的によみながら、その歴史そのままと歴史ばなれの様相を探る。枕草子の日記的章段は、中宮定子の栄華とその後半生の零落を背景とすると言われる。しかし、枕草子の叙述は、前半の明るい時期の章段も、後半の暗い時期の章段も等しくあかるく華やかな笑い声に満ちている。どうしてこのようなことが起きるのか。清少納言の政治への鈍感さとして処理されることの多かったこの歴史との乖離を、むしろ歴史とは相容れない独自の言語宇宙を構築しようとする動きとして評価し、その語りの技法と効果を検証して行く。
○評価方法
出席状況(20%)、授業参画(40%)、レポート(40%)
○テキスト
石田穣二『角川文庫 枕草子 上・下』 角川書店・1980
○参考書
萩谷朴『枕草子上・下』新潮日本古典集成
藤本宗利『清少納言』新典社
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1枕草子の「あとがき」を読む
2枕草子の成立

発表のしかた・レジメの作り方
3「宮に初めて参りたる頃」段を読む
4「宮に初めて」段後半を読む
5積善寺供養段を読む
6積善寺供養段を読む
7積善寺供養段を読む
8積善寺供養段を読む
9積善寺供養段を読む(まとめ)
10「清涼殿の丑寅の隅」段を読む
11「清涼殿の」段を読む
12「淑景舎春宮に」の段を読む
13「淑景舎春宮に」の段を読む
14「かへる年の二月二十余日」段を読む
15「里にまかでたるに」段を読む
16「殿などのおはしまさで後」段を読む
17「殿などのおはしまさで後」段を読む
18「ほととぎす探訪」段を読む
19「ほととぎす探訪」段を読む
20雪山段を読む
21雪山段を読む
22「大進生昌の家に」段
23「翁丸」段
24「今内裏の東に」段
25まとめ

  

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