2005年度上智大学シラバス

◆国語学特講Ⅲb - (後)
鰍沢千鶴
○科目サブタイトル
キリシタン版ローマ字本『天草版伊曽保物語』
○講義概要
イソップ物語は世界中の人々に愛されている、動物を主人公とした寓話集である。わが国には16世紀に紹介され二種類の本が現存している。そのうちの一つが『天草版伊曽保物語』で、1593年イエズス会の天草学林で印刷された。これは外国人の日本語習得のために編まれたもので、口語体で書かれているため当時の日本語の資料として価値のあるものである。授業では、このローマ字本を翻字し、音韻・語彙・文法・文体を解説し、当時の日本語の特徴を明らかにする。
○評価方法
出席状況(30%)、リアクションペーパー(20%)、レポート(50%)
○テキスト
『授業のはじめにプリントとして配布』
○参考書
『授業時に適宜紹介する』
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1「キリシタン版」の成立。ローマ字翻字練習。
2寓話篇(1) 開音・合音・合拗音について
3寓話篇(2) 本語・類義語について
4寓話篇(3) 四ツ仮名の混同について
5寓話篇(4) 『日葡辞書』の使いかた
6寓話篇(5) 『古活字版』との比較
7寓話篇(6) おじゃる・ござる・ござないについて
8寓話篇(7) 文法の特徴について
9寓話篇(8) 語誌について
10生涯篇(1) 待遇表現について
11生涯篇(2) 受容について
12生涯篇(3) キリシタン版の研究方法
13まとめ レポートの書き方

  

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