2005年度上智大学シラバス

◆国文学特講Ⅳa - (前)
大輪靖宏
○科目サブタイトル
近世小説の諸問題
○講義概要
近世(江戸時代)の小説は、それ以前の物語における制約を打破して、さまざまな新しい試みを行っている。それは、出版文化の成立による作者と読者の分離、近世合理精神によるリアリズム、文芸理念の発達、伝統的な日本文化の再認識など、多くの事柄が絡み合ってのことである。こうした近世小説の諸問題を、いくつかの項目に分けて順次考察してみたい。そして、近世小説が古典的物語より遙かに現代文学に近いものであり、近世小説の延長上に現代文学が位置することを確認したい。
○評価方法
出席状況(20%)、リアクションペーパー(10%)、前期学期末試験(授業期間中)(70%)
○テキスト
テキスト使用せず。必要に応じてプリントを配布する。
○参考書
今回の内容は多岐にわたるので、授業の進行に応じてその都度示す。
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1近世小説の成立(1) 仮名草子を例に
2近世小説の成立(2) 仮名草子から西鶴へ
3近世出版文化(1)  文学への影響
4近世出版文化(2)  本の形態とジャンル
5中国文学の利用(1) 牡丹燈記の利用
6中国文学の利用(2) 怪異譚の変遷
7国学の文学研究(1) 源氏物語をもとにしての文芸理念の成立
8国学の文学研究(2) 近世文芸理念の発達
9作家の創作理念(1) 上田秋成の場合
10作家の創作理念(2) 曲亭馬琴の場合
11近接諸文芸の諸問題(1) 近松門左衛門の創作
12近接諸文芸の諸問題(2) 「おくのほそ道」の場合
13予備日
14試験

  

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