○講義概要 |
近世(江戸時代)の小説は、それ以前の物語における制約を打破して、さまざまな新しい試みを行っている。それは、出版文化の成立による作者と読者の分離、近世合理精神によるリアリズム、文芸理念の発達、伝統的な日本文化の再認識など、多くの事柄が絡み合ってのことである。こうした近世小説の諸問題を、いくつかの項目に分けて順次考察してみたい。そして、近世小説が古典的物語より遙かに現代文学に近いものであり、近世小説の延長上に現代文学が位置することを確認したい。
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○評価方法 |
出席状況(20%)、リアクションペーパー(10%)、前期学期末試験(授業期間中)(70%)
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○テキスト |
テキスト使用せず。必要に応じてプリントを配布する。
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○参考書 |
今回の内容は多岐にわたるので、授業の進行に応じてその都度示す。
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○授業計画 |
1 | 近世小説の成立(1) 仮名草子を例に |
2 | 近世小説の成立(2) 仮名草子から西鶴へ |
3 | 近世出版文化(1) 文学への影響 |
4 | 近世出版文化(2) 本の形態とジャンル |
5 | 中国文学の利用(1) 牡丹燈記の利用 |
6 | 中国文学の利用(2) 怪異譚の変遷 |
7 | 国学の文学研究(1) 源氏物語をもとにしての文芸理念の成立 |
8 | 国学の文学研究(2) 近世文芸理念の発達 |
9 | 作家の創作理念(1) 上田秋成の場合 |
10 | 作家の創作理念(2) 曲亭馬琴の場合 |
11 | 近接諸文芸の諸問題(1) 近松門左衛門の創作 |
12 | 近接諸文芸の諸問題(2) 「おくのほそ道」の場合 |
13 | 予備日 |
14 | 試験 |
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By:上智大学学事部学務課
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