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2005年度上智大学シラバス

◆比較行動学　－　（前）

乗越皓司

○講義概要

本講義では，人間の行動を理解するために，次のいくつかの側面から動物（人間も含む）の行動を取り上げて，比較検討する。まず，ソシオバイオロジーにおける動物の進化・生態の問題を，特に雌雄に関する現象について進化心理学の立場で説明する。続いて，類人猿の『言語』研究や，“自己意識”，動物の道徳類似行動，および霊長類の“愛情”などの問題について講じる。

○評価方法

前期学期末試験(定期試験期間中)(100%)

○テキスト

『テキストは使用しない。講義資料を適宜配布する。』

○参考書

クレブスほか著『行動生態学を学ぶ人に』蒼樹書房

○他学部・他学科生の受講

可

○授業計画

1	イントロダクション、小テスト（動物とヒトの違い）、雌雄の対立（１）
2	ヒトと動物の違い（解説）、雌雄の対立と性選択（２）
3	ヒトの配偶者選択、ペアボンドの進化（３）
4	人類進化の特性（４）、リアクションペーパー
5	ビデオレポート（『動物はここまで考える』に対するコメント）
6	リアクションペーパーの説明、ビデオレポートの解説
7	動物の『言語』研究（１）（オウム、イルカ、類人猿の『言語』実験）
8	〃　　　　（２）（ヒトの言語との比較、言語発達、言語の生成理論）
9	動物の思考能力（ビデオレポートの解説、心の論理）、リアクションペーパー
10	リアクションペーパーの説明、自己意識（チンパンジーの自己鏡像反応、ハトのオペラント学習）
11	自我の発達（ヒトと類人猿間の比較）、ビデオ（ボノボの『おもいやり』）
12	道徳類似行動（エソロジーの概念、攻撃性の抑制、利他的行動）、リアクションペーパー
13	リアクションペーパーの説明、霊長類における『愛』（ハーロー・サルの愛情、感情と社会行動）