2005年度上智大学シラバス

◆芸術学特殊問題Ⅰ - (後)
外山紀久子
○科目サブタイトル
1960年代のアメリカのアートとパフォーマンス
○講義概要
モダニズムの媒体特定性に依拠した芸術観が失効し、戦後美術の流れが大きく転換する結節点となった1960年代のアメリカ美術を中心に、身体の問題を軸とした現代アート論の展開を試みる。特に50年代後半以降のネオ・ダダからポップ、ポストペインタリーアブストラクションから、ミニマルへの動きと、同年代のパフォーマンス系の活動との連関を捉え、一定の伝統のなかで訓練され特殊化された「専門家の身体」の消失がどのような事態を告げているのかを考える。とともに非西洋・前近代の身体技法を参照しながら、芸術家・観客の分化を前提とする従来の芸術受容では周辺に留まってきた「素人の身体」による芸術経験の意味について考察する。
○評価方法
レポート(100%)
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1概要の説明(以下は変更もありうる)
2「アクション・ペインティング」の帰結:表現主義はなぜ短命か
3反表現主義のマニフェスト(ラインハート)
4多焦点性とレディメイド・デザイン(ラウシェンバーグとジョーンズ)
5ハウス・ペイントのエクソシスト?(ステラ)
6ウォーホルのDo It Yourself、リキテンスタインの擬似デジタル
7カプローのポロック論:トータル・アートからハプニングへ
8ハプニングとイヴェント又はインストラクション・アート
9ジャドソン・ダニス・グループの「タスク」
10ケージとハルプリン
11ミニマル・アート:体感型」への分岐点
12アース・ワークあるいは巡礼の身体
13「サム・アート」の可能性(労働の身体)
14余備

  

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