○講義概要 |
応用倫理学(Applied Ethics)は、20世紀後半以降あいついで成立した生命倫理学、環境倫理学、ビジネス倫理学、情報倫理学など、現代社会の諸問題に応答しようとする倫理学の総称である。いつの間にか一つの研究領域として認知されるようになり、その専門家の発言が方々で求められたりもする。しかし、応用倫理学とはどのような学問かは、必ずしも明らかではない。この授業では、まず、現に成立している応用倫理学の営みを概観し、さらに〈そもそも倫理学を応用するとはどういうことか〉を考えたい。それを考えようとすれば、〈倫理学とは、そして哲学とは、われわれにとって何であるのか〉を問わざるをえなくなる。受講生と共に考えたい。
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○評価方法 |
レポート(40%)、前期学期末試験(定期試験期間中)(20%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(40%) 授業を進めるにあたって、できるだけ担当教員と受講生、受講生どうしが意見交換しながら一緒に考えることができる形をとるため、受講生の数などによって多少評価の方法を変更することもありうる。
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○授業計画 |
1 | イントロダクション (最終的な各週単位の授業計画は初回の授業で提示する。以下は、この授業の内容をイメージするための参考として、暫定的な予定を記したにすぎない。) |
2 | 応用倫理学の成立事情(1) 20世紀前半の倫理学 |
3 | 応用倫理学の成立事情(2) 分析倫理学の成立 |
4 | 応用倫理学の成立事情(3) 分析倫理学の展開と規範倫理学 |
5 | 応用倫理学の現状(1) 生命倫理学の成立と展開 |
6 | 応用倫理学の現状(2) 生命倫理学の現在 |
7 | 応用倫理学の現状(3) 環境倫理学 |
8 | 応用倫理学の現状(4) ビジネス倫理学 |
9 | 応用倫理学の現状(5) 情報倫理学 (中間レポート提出) |
10 | 応用倫理学の現状(6) まとめ |
11 | 応用倫理学演習 発表と討論(1) |
12 | 応用倫理学演習 発表と討論(2) |
13 | 応用倫理学演習 発表と討論(3) |
14 | 応用倫理学をめぐる論争(1) |
15 | 応用倫理学をめぐる論争(2) |
16 | 応用倫理学に代わるもの(1) 臨床哲学の理念 |
17 | 応用倫理学に代わるもの(2) 臨床哲学の現状 |
18 | 応用倫理学に代わるもの(3) 臨床倫理学 (中間レポート提出) |
19 | 応用倫理学に代わるもの(4) 社会哲学 |
20 | 応用倫理学に代わるもの(5) 哲学プラクティス |
21 | 応用倫理学に代わるもの(6) 問題点の整理と討論 |
22 | 応用倫理学とは何か(1) 〈哲学を応用する〉ことと〈哲学する〉こと |
23 | 応用倫理学とは何か(1) 誰が行うのか |
24 | 応用倫理学とは何か(2) どのように行うのか |
25 | 応用倫理学とは何か(3) どのように教育するのか |
26 | 応用倫理学とは何か(4) まとめと討論 |
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By:上智大学学事部学務課
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