2005年度上智大学シラバス

◆キリスト教思想史(Ⅰ) - (後)
RIESENHUBER,KLAUS
○科目サブタイトル
初期キリスト教精神の発展史
○講義概要
ヨーロッパの思想は古代末期キリスト教思想家における
ギリシャ哲学とキリスト教信仰の対決と融合によって根
拠づけられていると言われる。本講義では当時のキリス
ト教の重大な思想家の文献(和訳)を読みながら古代キ
リスト教(7世紀まで)の思想的発展を辿り、若き教会
の理念と歴史を多面的角度から検討する。各回、当時の
思想的背景と社会的状況を踏まえた上で、ひとつのテー
マを典型的なテキストを通して探り、その思想的射程を
吟味する。歴史とグノーシス、信仰と理性、教会と社会
・国家、聖書解釈と道徳論、神認識と霊性、キリスト論
と人格概念、生死観と幸福論などをテーマとする。本講
義の内容は「中世哲学史」とは異なる。予備知識不要。
○評価方法
出席状況(20%)、レポート(80%)
出席は最低 3分の2以上であること。
○テキスト
その都度プリントを配布する。
○参考書
クラウス・リーゼンフーバー『中世思想史』平凡社ライブラリー 2003年
クラウス・リーゼンフーバー『西洋古代・中世哲学史』平凡社ライブラリー 2000年
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1初期キリスト教生活とユダヤ教――「十二使徒の教訓」(1世紀)
2理性の発見と哲学の受容――ユスティノス(2世紀半ば)
3グノーシスとの対決と歴史の肯定――エイレナイオス(2世紀後半)
4迫害と殉教・弁明――テルトゥリアヌス(2世紀末)
5社会の中の土着化――クレメンス(2世紀末)
6聖書解釈の方法と人間観――オリゲネス(3世紀)
7祈り方と礼拝――キュプリアヌス(3世紀)
8修道生活の起源と理念――アタナシオス、バシレイオス(4世紀)
9精神の自己超越と愛の理論――ニュッサのグレゴリオス(4世紀)
10倫理の基礎づけと人生の理想――アンブロシウス(4世紀)
11神認識と回心の経験――アウグスティヌス(5世紀初頭)
12時間性と幸福への問い――アウグスティヌス
13知を超えた神認識――ディオニュシオス(5世紀末)
14中世の精神の根拠づけ――ベネディクトゥス、大グレゴリウス(6世紀)

  

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