○講義概要 |
人間の自然本性と実存の根底に潜む「神の問題」を開示する本科目は、哲学的神論の可能性を20世紀以降の思惟の諸前提を踏まえて問いつつ、「神秘‐内‐存在」としての人間の理解を深めるものである。その主要テーマは、(a)神概念の起源(b)思想史と現代における無神論(c)ヒューマニズムと宗教(d)ニヒリズムと神(e)良心現象と神(f)創造の現代的理解(g)宗教言語の問題と多岐にわたるが,宗教経験の構造と人間の精神的本性の理解を究明の焦点とする。
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○評価方法 |
出席状況(15%)、授業参画(10%)、レポート(30%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(45%) ブックレポートと年度末の試験による。毎回の授業でのディスカッションを重視する。
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○テキスト |
R.ロペス・シロニス『旅する人間と神―哲学的神学の素描―』 中央出版社
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○参考書 |
ヴィクトル・フランクル『識られざる神』みすず書房, 西谷啓治『ニヒリズム(西谷啓治著作集 第8巻)』創文社 W.パネンベルク『自然と神―自然の神学へ向けて―』教文館
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○授業計画 |
1 | 自然神学とは?-人間の自然本性と神秘の概念-:導入 |
2 | 「神」という言葉についての考察 |
3 | 神観念の起源(1) |
4 | 〃(2) |
5 | 無神論の諸形態 |
6 | 思想史における無神論と現代の無神論 |
7 | 無神論とニヒリズム(1) |
8 | 〃(2) |
9 | サルトル『蠅』についてのグループ・ディスカッション |
10 | 意義現象についての考察 |
11 | 意義の問題と神(1) |
12 | 〃(2) |
13 | 〃(3) |
14 | 「創造」の理解 |
15 | 「創造」の現代的理解(1) |
16 | 〃(2) |
17 | 「良心」現象の分析 |
18 | 良心の実存論的理解 |
19 | 良心現象についての二つの根本的解釈 |
20 | 良心現象と神 |
21 | 宗教言語について(1) |
22 | 〃(2) |
23 | 〃(3) |
24 | 宗教経験を開明するモデルとしての超越論的経験 |
25 | 宗教経験について(1) |
26 | 宗教経験について(2) |
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By:上智大学学事部学務課
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