2005年度上智大学シラバス

◆自然神学 - (後)
長町裕司
○講義概要
人間の自然本性と実存の根底に潜む「神の問題」を開示する本科目は、哲学的神論の可能性を20世紀以降の思惟の諸前提を踏まえて問いつつ、「神秘‐内‐存在」としての人間の理解を深めるものである。その主要テーマは、(a)神概念の起源(b)思想史と現代における無神論(c)ヒューマニズムと宗教(d)ニヒリズムと神(e)良心現象と神(f)創造の現代的理解(g)宗教言語の問題と多岐にわたるが,宗教経験の構造と人間の精神的本性の理解を究明の焦点とする。
○評価方法
出席状況(15%)、授業参画(10%)、レポート(30%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(45%)
ブックレポートと年度末の試験による。毎回の授業でのディスカッションを重視する。
○テキスト
R.ロペス・シロニス『旅する人間と神―哲学的神学の素描―』 中央出版社
○参考書
ヴィクトル・フランクル『識られざる神』みすず書房,
西谷啓治『ニヒリズム(西谷啓治著作集 第8巻)』創文社
W.パネンベルク『自然と神―自然の神学へ向けて―』教文館
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1自然神学とは?-人間の自然本性と神秘の概念-:導入
2「神」という言葉についての考察
3神観念の起源(1)
4   〃(2)
5無神論の諸形態
6思想史における無神論と現代の無神論
7無神論とニヒリズム(1)
8   〃(2)
9サルトル『蠅』についてのグループ・ディスカッション
10意義現象についての考察
11意義の問題と神(1)
12   〃(2)
13   〃(3)
14「創造」の理解
15「創造」の現代的理解(1)
16   〃(2)
17「良心」現象の分析
18良心の実存論的理解
19良心現象についての二つの根本的解釈
20良心現象と神
21宗教言語について(1)
22   〃(2)
23   〃(3)
24宗教経験を開明するモデルとしての超越論的経験
25宗教経験について(1)
26宗教経験について(2)

  

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