2005年度上智大学シラバス

◆人間論 - (通)
渡部清
○講義概要
まず最初に「哲学」以前の神話的思考における「人間」観を世界観との対比で考察してみる。ただし、「神話」をわれわれの場合は日本の、つまりは『古事記』『日本書記』などを考えてゆく。ついで哲学的人間論の学術的発達史の流れを古代から現代まで概観したのちに、「人間・人間種」とよばれるものの生物学的、先史考古学的、文化人類学的、心理学的および社会学的な諸考察を順次加えてゆく。その後、上述したことに基づいて、個別的観点として、言語性、社会性、身体性、歴史性、精神性、意思の自由、最後に自己実現と自己超越の問題を考察する。なお、人間論と倫理学とは密接に関連しあう問題領域を共有するため、適宜倫理学的な問題に深入りをする。
○評価方法
出席状況(20%)、レポート(20%)、前期学期末試験(授業期間中)(30%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(30%)
○テキスト
渡部作成のプリント
○参考書
そのつど指示する
○必要な外国語
なし
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1神話における「人間像」(一)
2神話における「人間像」(二)
3古代ギリシアにおける哲学的思考の発端と人間の確認
4キリスト教的世界観と人間観(一)
5キリスト教的世界観と人間観(二)
6近現代的人間観の特徴・特質:デカルト
7唯物論的機械論的人間観
8生物学的考察
9先史考古学的考察
10文化人類学的考察
11心理学的考察
12社会学的考察
13社会契約思想の諸形態
14予備日
15予備日
16言語の観点から(一)
17言語の観点から(二)
18社会性の観点から(一)
19社会性の観点から(二)
20社会性の観点から(三)
21身体性の観点から(一):現象学的考察を中心に
22社会性の観点から(二):生と死
23歴史の観点から:『時間と自由意志』(ベルグソン)と『存在と時間』(ハイデガー)
24歴史の観点から:有限性と無限性
25精神と物質の関係あるいは心身問題:古典的問題設定
26精神と物質の関係あるいは心身問題:生命倫理学的視点から
27意思の自由と人工知能
28自己超越者としての人間
29予備日
30予備日

  

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