2005年度上智大学シラバス

◆哲学演習Ⅱ(哲思)B - (後)
長町裕司
○講義概要
18世紀末から19世紀初め近代ドイツの精神的開花を推進すると共に、ドイツ古典哲学の形成において独自の思想体系を生み出したフィヒテ(Johann Gottlieb Fichte, 1814)の前期哲学からその特徴的な思考に肉迫し学ぶことにしたい。先ず『知識学の新たな叙述の試み 第一序論』(1797/98)より数回、フィヒテの哲学思想全体を表明する「知識学」についての予備理解を参加者皆が共有できるかどうか検討する。その後、学期のほぼ終わりまで『人間の使命』(1800年)をテキストとして研究・討論を重ねる。ヨーロッパ近代精神の根本問題であった(基礎づけられる)知と自由の連関が、この『人間の使命』という啓発的書物の中心主題であるが、その連関から終結部では宗教的世界観の新たな構築が要請されてくる。
○評価方法
出席状況(20%)、授業参画(20%)、レポート(60%)
○テキスト
ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ『知識学 第一序論、人間の使命(世界の名著 43巻 フィヒテ シェリング に所収)』 中央公論社
○必要な外国語
なし
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1 導入と演習計画 (フィヒテ哲学の哲学史における位置と今日的意義)
2演習① ― 『知識学 第一序論』より
3 演習② ―      〃
4 演習③ ―      〃
5 演習④ ― 『人間の使命』より
6 演習⑤ ―     〃
7 演習⑥ ―     〃
8 演習⑦ ―     〃
9 演習⑧ ―     〃
10 演習⑨ ―     〃
11 演習⑩ ―     〃
12 演習⑪ ―     〃
13 フィヒテの思考形態に対する今日の問題状況からの問い
  (総括と今後の哲学的発展のための討議)

  

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