| ○講義概要 |
今日に至る哲学的思考の基本枠を定めたプラトン、アリストテレスを中心に古典ギリシア哲学の成立と展開とを概観する。教科書的な概説は最小限にとどめ、できるだけ実際の資料や作品(邦訳)を紹介するので、受講者は自ら問題を掘り起こして考えてみること。現代哲学の諸問題とも交錯する最新の研究状況の一端も併せて紹介する。 前後数回視聴覚教材を利用して古代ギリシアの文化的な側面にもふれたい。
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| ○評価方法 |
出席状況(10%)、リアクションペーパー(10%)、後期学期末試験(授業期間中)(40%)、中間試験(40%) 筆記試験は各90分、持込不可。私語・常習的遅刻は厳禁。
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| ○テキスト |
荻野弘之『哲学の原風景』 NHK出版 荻野弘之『哲学の饗宴』 NHK出版
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| ○参考書 |
『岩波哲学思想事典』岩波書店 高津春繁・斎藤忍随『ギリシア・ローマ古典文学案内』岩波文庫別冊
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| ○授業計画 |
| 1 | ◎講義内容は、教科書に指定した拙著の「目次」にほぼ準拠する。
哲学史を学ぶ意味、哲学と哲学史の関係 |
| 2 | 哲学の起源、古代哲学の時代区分と地理的範囲 |
| 3 | ギリシア文字の読み方 |
| 4 | 「万物の原理」への問い(タレスとミレトス派) |
| 5 | 輪廻転生と宇宙論(ピュタゴラス派) (古代ギリシアの音楽のCD) |
| 6 | 神話の論理と倫理(クセノパネス) |
| 7 | 逆説と遊戯(ヘラクレイトス) |
| 8 | 存在への旅(パルメニデス) |
| 9 | 現象と論理(エレア派) |
| 10 | 自然像の最構築(多元論と原子論) |
| 11 | 国際化時代の到来と相対主義の思潮(ソフィスト) |
| 12 | 中間試験 |
| 13 | ソクラテスの伝記と真実 (クセノポンとアリストパネス) |
| 14 | 無知の知 (『ソクラテスの弁明』) |
| 15 | 哲学者の使命 |
| 16 | プラトン対話篇の解釈(『第七書簡』) |
| 17 | 本質の問いと定義の論理(『ラケス』『メノン』) |
| 18 | ソクラテスの論駁法(『ゴルギアス』) |
| 19 | 正義と幸福(『クリトン』『国家』) |
| 20 | 想起説とイデア論(『パイドン』『饗宴』) |
| 21 | プラトン主義とキリスト教(『パイドロス』『ティマイオス』『パルメニデ ス』) |
| 22 | 古代ギリシアの美的経験(美術のビデオ視聴) |
| 23 | アリストテレスの体系と方法 |
| 24 | 存在の究明 (『範疇論』『自然学』『形而上学』) |
| 25 | 実践哲学の課題(『ニコマコス倫理学』) |
| 26 | 学期末試験 |
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By:上智大学学事部学務課
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