2005年度上智大学シラバス

◆新約聖書Ⅰ - (前)
小林稔
○講義概要
新約聖書全体について見た後、前期は共観福音書を扱う。黙示録に見られるような時代背景を瞥見し、諸伝承の中からいくつかの類型を選んでイエスの出来事と伝えた人々の理解を区別する手だてを学ぶ。最後にマタイ福音書、マルコ福音書、ルカ福音書、各著者の書きたかったことを探る。扱う材料は「新約聖書入門Ⅰ」とほぼ同じだが、内容よりも方法が中心になる。また講義とは別に担当者の計画表にしたがい、一年をかけて新約聖書を全部読んでもらう。各文書の概略はウェブページで配布。
教室の収容人員が許す限り、他学部学生も歓迎するが、宿題が重い上に、欠席した日のテストが零で計算されるので、覚悟してほしい。
○評価方法
小テスト等(100%)
通読という課題と講義内容について、毎回テストを実施し、その平均点で評価する。欠席などで受けなかったテストは零点として計算される。正当な理由でやむをえず欠席した場合は一週間以内に届けること。考慮するが、全体の2/3以上の出席は必要条件としたい。
○テキスト
『新共同訳聖書-旧約聖書続編つき』 日本聖書協会
○参考書
新約聖書翻訳委員会(訳)『新約聖書』岩波書店、2004年
その他、各自ダウンロードしてもらう予定のレジュメに記載。
○他学部・他学科生の受講

○ホームページURL
http://pweb.sophia.ac.jp/~m-kobaya/05147nt.htm
○授業計画
1新約聖書の目次。どんな文書(群)でどのような内容なのか。
スライドで見るガリラヤとユダヤの気候風土
2ナザレのイエスの出来事から正典目録成立までの経過概略。
スライドで見るガリラヤとユダヤの気候風土(前回の続き)
+マルコ1章~10章と前回講義内容についてテスト
3マルコ福音書の序文についてひとつの読み方
+マルコ11章~16章とテサロニケへの第一の手紙および前回講義内容についてテスト
4スライドで見るイスラエル史の概略
+黙示録1章~18章と前回講義内容についてテスト
5黙示思想。第二神殿時代のユダヤ教諸セクトに対するその影響
+黙示録19章~22章、マタイ1章~4章、テサロニケへの第二の手紙、ペトロの第一の手紙、および前回講義内容についてテスト
6治癒物語にみられる、病者や罪人に対するイエスの態度
+マタイ5章~12章と前回講義内容についてテスト
7女性に対するイエスの関わり方
+マタイ13章~25章と前回講義内容についてテスト
8論争物語にみるイエスの新しさ
+マタイ26章~28章とヤコブの手紙および前回講義内容についてテスト
9前回の補足。70年を境とするユダヤ教の変質
+ルカ1,1~9,50と前回講義内容についてテスト
10受難予告と受難物語。イエスの死に関しての史実と脚色
+ルカ9,51~19,27と前回講義内容についてテスト
11著者たちによる受難物語の多様性。
マルコは全体をどのようにまとめているか
+ルカ19,28~24,53と前回講義内容についてテスト
12マルコの編集作業(続き)
+使徒行伝1,1~8,1と前回講義内容についてテスト
13マタイとルカは、マルコやQを使ってどのような読者のために書いているか
+使徒行伝8,1~15,35とガラテア人への手紙および前回講義内容についてテスト

  

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