○講義概要 |
「イエス・キリスト」とは、いわゆる固有名詞ではなく、歴史上に実在したナザレのイエスという人物に関する神学的主張である。本講では、新約聖書諸文書、特に共観福音書にみられる歴史上の人物としてのナザレのイエスの姿に取り組むことをとおして、ナザレのイエスの本質に迫る。また、講義の際には、ナザレのイエスの生涯に関する単なる表面的な知識の獲得にとどまらず、ナザレのイエスの生涯が一人ひとりの心に語りかけるメッセージに常に耳を傾けるように努めたい。なお、本講は、前期の新約聖書概説の講義内容に相当する、新約聖書に関する基礎的知識を必須の受講要件とする。
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○評価方法 |
出席状況(20%)、リアクションペーパー(20%)、後期学期末試験(授業期間中)(60%) 出席と受講態度を重視し、4回以上の欠席で自動的に単位取得不可となる。 また、遅刻は、講義の進行を著しく妨げ、他の受講者に多大な迷惑となるので、毎回大幅な減点対象となる。 なお、初回の授業の際に諸注意事項を説明するので、受講希望者は必ず初回から出席すること。
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○テキスト |
『新共同訳―新約聖書/新共同訳―聖書(旧約聖書続編つき)』 日本聖書協会(毎回必携)。 船本弘毅(監修)『図説 地図とあらすじで読む聖書』 青春出版社、2004年(毎回必携)。
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○参考書 |
百瀬文晃『イエス・キリストを学ぶ―下からのキリスト論』サンパウロ、1986年。 Joachim Gnilka『Jesus von Nazaret. Botschaft und Geschichte』Freiburg-Basel-Wien: Herder, 1997 (5. Aufl.). Gerd Theißen / Annette Merz『Der historische Jesus』Göttingen: Vandenhoeck, 1997 (2. Aufl.).
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○授業計画 |
1 | 導入:課題と方法論 |
2 | 「史的イエス」の問題 |
3 | イエスの周辺世界(1):政治的背景 |
4 | イエスの周辺世界(2):宗教的背景 |
5 | イエスの年代史 |
6 | イエスの生涯(1):イエスの根本使信―「神の国」の到来 |
7 | イエスの生涯(2):イエスの行動様式 |
8 | イエスの生涯(3):イエスの自己理解 |
9 | イエスの生涯(4):イエスの「受難」 |
10 | イエスの生涯(5):イエスの「復活」 |
11 | 原始キリスト教の成立:イエスと教会の連続性 |
12 | 学期末試験 |
13 | まとめ:イエス論からキリスト論へ―歴史のイエスと信仰のキリストの相関性 |
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By:上智大学学事部学務課
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