2005年度上智大学シラバス

◆社会保障論 - (後)
高原 亮治
○科目サブタイトル
人間にとって社会保障とはなにか
○講義概要
前半は総論として、社会保障の定義、人間社会における必然性、成立の歴史などを学習し、社会保障が社会や国家にとってなぜ重要な課題なのかを論ずる。後半は各論として我が国における社会保障制度の現状と、改革の方向性を国際比較も視野にいれて論じる。各論としてとりあつかう項目は医療保険、社会福祉、介護保険、年金、雇用保険、労災保険を予定している。各論といっても、現在の制度が永遠に続くわけもないので、個別詳細な知識に立ち入ることはしない。将来の研究者、政策立案者をこころざす学生が骨太の思考力と見識を養うことを目的とするコースとしたい。
○評価方法
授業参画(20%)、レポート(80%)
○テキスト
グレーザー  ローゼンバーグ『成功する政府 失敗する政府』 岩波書店 2004
ロールズ『公正としての正義 再説』 岩波書店 2004
○参考書
椋野美智子、田中耕太朗『はじめての社会保障』有斐閣 2001
竹田茂夫『ゲーム理論を読みとく』ちくま新書 2004
森村 進『自由はどこまで可能か』講談社現代新書  2001
○必要な外国語
英語
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1コース概要、Reading List配布解説、社会保障の定義、自助互助公助慈善、社会事業、社会保障
2社会保障の倫理学的基礎、リバタリアニズムとリベラリズム
3社会保障の厚生経済学的基礎、ゲームの理論と社会保障、
コモンズの悲劇 トリアージ、公平と公正、平等
4社会保障の歴史Ⅰ、共同体、互酬、封建制
5社会保障の歴史Ⅱ、第一次世界大戦と総力戦体制の成立、二つのsecurity
6保険論 期待効用、リスクに対する態度、強制保険と社会保険
7医療保険の現状と課題
8生活保護と障害者福祉の現状と課題
9老人福祉と介護保険
10年金
11雇用保険と労災保険
12世界の社会保障制度と社会保障改革
13少子高齢化と我が国の社会保障改革

  

Copyright (C) 2004 Sophia University
By:上智大学学事部学務課