2005年度上智大学シラバス

◆社会福祉原論 - (前)
栃本 一三郎
○講義概要
社会福祉概論の上級編にあたる社会デザイン法をソーシャルポリシー論の観点による社会福祉原論として学ぶ。講義で取り上げられる対象範囲は狭義の社会福祉だけではない。「主体(行為するもの)としての社会福祉」「客体(分析する対象)としての社会福祉」という両面から社会福祉の領域を捉え、分析していく。Ⅰ,2年次で履修した各科目により得た知識を再確認するとともに、3,4年における学習を深め、さらに学生が自ら考え、判断していくために講義形式ではあるが、様々な資料を使い、双方向で議論しながら授業を展開していく。学問(研究・調査と理論化)と現場との関係、政策と政策研究、臨床現場やサービス提供場面の実体とその改善のための運営管理の方法など、学問と現場(政策現場、福祉実践現場)とを結びつけながら、社会福祉の先端領域の課題と展望、こからの福祉社会のデザイン構築の方法を学ぶ。政策ー運営管理/経営ーサービス(援助技術)の3領域を結ぶ相互の関係と双方向の学問化の基本を学ぶという意味で、福祉政策・運営管理コースと福祉臨床コースのどちらを目指す学生にとっても3年以降の研究を進めるための基礎となる講義である。
○評価方法
出席状況(10%)、授業参画(5%)、リアクションペーパー(20%)、レポート(20%)、小テスト等(20%)
学期末の口頭試問25%
○テキスト
栃本一三郎『社会福祉原論講義資料(授業に関連する文献リストを含む)』
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1社会のデザイン、国のデザイン、社会福祉のデザイン、現場のデザイン
総合的な政策としてのソーシャルポリシーから社会福祉を捉える
2社会福祉の専門性は如何にして形成されるのかー社会福祉に関する客観的研究の重要性と主体化
3政策と実践・援助技術との関係ー両者をつなぐものとしての運営管理/経営
4社会福祉に関するわが国における原理論とは、社会福祉における理論・研究の現状とその限界、そして可能性
5社会福祉:その目標と実践ー個人主義的解決と集産主義的解決
6福祉資本主義の諸相と類型(イデオロギー・政策目標)
7福祉資本主義の諸相と類型(給付と財源調達)
8社会保障給付費と経済、財政
9社会福祉の現場では
日本における社会福祉の歴史的総括と現代的課題
10ヨーロッパにおける社会福祉の歴史的総括と現代的課題
11社会福祉の実施体制ーその由来と現在、改革の方向
12社会福祉の財政ー現状と改革の方向
13社会福祉の立法政策ー法律読解法と立法課程
14社会福祉の行政と行政課程
15社会福祉の政策課程
16社会福祉政策と分析
17まとめ:社会福祉研究の深化と社会福祉の改革と臨床福祉の改革のために

  

Copyright (C) 2004 Sophia University
By:上智大学学事部学務課