2005年度上智大学シラバス

◆児童精神医学 - (通)
斉藤 万比古
○講義概要
本講義は子どもの心の発達と環境の問題,児童精神医学的な診断・評価および治療など,児童精神医学を理解するうえでの総論的な展望を中心に,各論として自閉性障害やアスペルガー症候群などの広汎性発達障害について解説する。
○評価方法
出席状況(40%)、レポート(60%)
○テキスト
American Psychiatric Association (高橋三郎,大野裕,染矢俊幸訳)『DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引き新訂版』 医学書院,2003
Val Cumin et al. (齊藤万比古監訳)『教師のためのアスペルガー症候群ガイドブック』 中央法規出版, 2005
○参考書
山崎晃資, 牛島定信, 栗田広他『現代児童青年精神医学.』2002,永井書店
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1はじめに,児童精神医学の歴史,児童精神医学の思想
2総論‐1;子どもの心の発達(幼児期と潜在期)
3総論‐2;子どもの心の発達(思春期)
4総論‐3;子どもの心をとりまく環境(現代の子育てと子どもの心)
5総論‐4;子どもへの攻撃(児童虐待といじめ)
6総論‐5;児童精神医学的症候論と精神疾患概論
7総論‐6;児童精神医学分野における診断と評価
8総論‐7;児童精神医学的治療(1) 薬物療法,遊戯療法
9総論‐8;児童精神医学的治療(2) 他の心理療法,認知行動療法,家族へのアプローチ
10総論‐9;児童精神医学的治療(3)他機関との連携,外来治療と入院治療
11各論‐1;広汎性発達障害(1) 自閉性障害とその類縁疾患
12各論‐2;広汎性発達障害(2) アスペルガー症候群
13まとめ;児童精神医学の考え方などの総論や広汎性発達障害について学生諸君の質問に答え,意見の交換をしたい。
14各論‐3;注意欠陥/多動性障害(1) 症状と疾患構造など
15各論‐4;注意欠陥/多動性障害(2) 治療,長期経過
16各論‐5;その他の発達障害(学習障害,コミュニケーション障害,境界知能児)
17各論‐6;身体症状にあらわれる神経症性疾患(小児心身症,身体表現性障害,転換性障害など)
18各論‐7;子どもの不安障害(分離不安障害,過剰不安障害,パニック障害,広場恐怖,社会恐怖)と対人恐怖症
19各論‐8;子どもの強迫性障害,気分障害,適応障害
20各論‐9;子どもの問題行動(1) 不登校,家庭内暴力,ひきこもり
21各論‐10;子どもの問題行動(2) 自傷行為,摂食障害,反抗と非行
22各論‐11;子どもの心的トラウマ関連疾患と解離性障害
23各論‐12境界児童と思春期境界例
24各論‐13;チック障害,遺尿症・遺糞症,抜毛症,選択性緘黙
25各論‐14;児童思春期精神病(統合失調症など)
26まとめ;児童精神医学について伝えたかったことについてまとめ,学生諸君の質問に答え,意見の交換をしたい。

  

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