2005年度上智大学シラバス

◆マリア論 - (後)
光延一郎
○講義概要
マリア論は、キリスト論・神学的人間論(恩恵・原罪論)・教会論など教義(組織)神学の主要科目が交わる結晶点のような科目である。イエス・キリストが人間の範型であるなら、マリアはキリスト教を信仰する者のモデルであろう。古来の信仰内容を現代に生きる私たちの言葉でつかみ直すことを課題とする教義(組織)神学の実践として、マリアについての文献を共に輪読をすることから、単なる心情的な信心でもなく、また合理主義的な無関心をも克服しつつ、マリアが私たちの信仰と神学に対してもつ真の意味を探り、またその恵みの深みを味わいたい。
○評価方法
出席状況(20%)、授業参画(45%)、レポート(35%)
文献についての発表、出席と貢献、および期末総括レポート。
○テキスト
カール・ラーナー『マリア、主の母、神学的省察』 光延試訳プリント
吉山登『マリア』 清水書院
E・モルトマン=ベンデル他 (内藤道雄訳)『マリアとは誰だったのか、その今日的意味』 新教出版社
○参考書
エバンヘリスタ『マリア論入門』中央出版
○必要な外国語
英語
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1オリエンテーション、今日の信仰と神学におけるマリア
2聖書におけるマリア(1)
3聖書におけるマリア(2)
4神学におけるマリア
5マリア論の根本理念
6「神の母」であるマリア
7マリアの処女母性
8「マリアの無原罪の御宿り」の教義
9キリスト者に恵みを媒介する方(mediatrix )としてのマリア
10栄光を受けられたマリア:「マリアの被昇天」の教義
11第二バチカン公会議とヨハネ・パウロ二世のマリア観
12現代神学におけるマリア
13エキュメ二ズムとマリア

  

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