2006年度上智大学シラバス

2006/09/14更新
◆無機化学ⅢC - (後)
木川田 喜一
○科目サブタイトル
地球化学
○講義概要
地球化学とは地球や宇宙の成り立ちや,そこにおける物質循環の仕組みを化学的に理解しようとする学問である.また,気圏,水圏,地圏といった地球の構成要素は互いに独立したものではなく,種々の相互作用によりひとつのシステムとして機能していることからすれば,地球化学は地球システムにおける化学的相互作用を扱う学問とも言える.人間圏も地球システムの構成要素であり,近年深刻化の一途をたどる地球環境問題や,大規模自然災害のメカニズムを理解する上でも地球化学的知識は不可欠である.
本講義では,宇宙・地球の進化過程を理解した上で,現地球で営まれる地球規模での物質循環を化学的観点から解釈し,最終的に地球システムの概念を身につけることを目指す.また,メディアで取り上げられる関連話題をトピックス的に紹介・解説する予定である.
○評価方法
出席状況(50%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(50%)
○テキスト
必要に応じてプリントを配布する
○参考書
松尾禎士 監修『地球化学』講談社・1989年
鹿園直建『地球システム科学入門』東京大学出版会・1992年
日本地球化学会 監修『地球化学講座1 地球化学概説』培風館・2005年
○他学部・他学科生の受講
可 (化学の基礎的知識を有すること)
○授業計画
1イントロダクション(地球化学の成り立ちとその役割)
2宇宙・太陽系・地球(その形成と歴史)
3地球の進化(地球の内部構造と化学組成)
4地球内部の物質移動(マントル対流とプレートテクトニクス)
5マグマと火山(マグマの発生と分化,造岩鉱物の化学組成と構造)
6火山・地熱・熱水活動(マグマ揮発性物質の挙動)
7地殻の二次的変化と物質移動(風化・変質・変成作用)
8地殻における元素・物質の濃集(天然資源の成り立ち)
9大気圏の化学(大気圏の構成物質と物質循環)
10海洋の化学(海洋の化学組成と物質循環)
11生物活動と物質循環(地球上の物質循環に果たす生物の役割)
12地球環境の化学(人間活動と地球環境)
13おわりに(地球システムを考える)

  

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