2006年度上智大学シラバス

2006/09/01更新
◆基礎数学(幾何学) - (後)
加藤 昌英
○講義概要
ユークリッドの幾何学において、その平面幾何学の公理の中に「平行線の公理」がある。この公理は他の公理から証明しようとする試みが、非ユークリッド幾何学の発見に導いたという事実はよく知られている。この講義ではユークリッド幾何学の公理の反省から初めて、球面幾何学、2次元双曲幾何学を紹介する。これらの幾何学は2点間の距離の性質を用いて導かれる理論であるが、距離を忘れて生まれる幾何学、すなわち位相幾何学についても触れる。これらを学んだ後に振り返ってユークリッドの幾何学をみなおすと、ユークリッド幾何学の位置づけが明瞭に分かるであろう。
○評価方法
出席状況(20%)、レポート(40%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(40%)
○参考書
小平邦彦:幾何のおもしろさ、岩波書店、1985
小林昭七: ユークリッド幾何から現代幾何へ, 日本評論社, 1990
中岡 稔:双曲幾何学入門、サイエンス社, 1992
小島定吉:3次元の幾何学、朝倉書店、2002
R. Benedetti; C.Petronio: Lectures on Hyperbolic Geometry, Springer-Verlag, 1992
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1以下の内容をこの順に講義をする予定である。
ユークリッド幾何
3平方の定理
球面幾何
球面3角形の面積
双曲幾何
双曲幾何の2点間の距離
双曲3角形の面積
距離空間と位相空間
多面体とオイラー数
ガウス・ボンネの定理

  

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