2006年度上智大学シラバス

2006/02/24更新
◆社会学 - (前)(後)
金崎 一郎
○科目サブタイトル
社会学的な<ものの見方>を考える
○講義概要
 全13回の講義において、前半は、社会学的な<ものの見方>とは何かを考察の中心とし、宗教と資本主義、自殺と社会、自由と近代といった社会学の基本的なテーマを取り上げながら、ウェーバーやデュルケイムといった現代社会学に大きな影響を与えている社会学者の見解を平易に解説していく。
 後半では、概論的な内容を一歩進め、ミクロ社会学の分野から日常生活における相互行為について、社会学的演出論の観点から理解を深める。特に、対面的状況での日常的な他者とのやりとりに潜む「共在の論理」を明らかにしていく。原則として、前期は神・文・総合人間科学部、後期は法・経済・外国語・理工学部の学生をそれぞれ対象とする。
○評価方法
出席状況(20%)、前期学期末試験(定期試験期間中)(80%)
○テキスト
井上俊・大村英昭『社会学入門』 日本放送出版協会,1993年
○参考書
E.ゴフマン『行為と演技』誠信書房、1974年
○必要な外国語
無し
○他学部・他学科生の受講
可 (原則として、前期は神・文・総合人間科学部を対象とし、後期に法・経済・外国語・理工学部の学生を対象とする。)
○授業計画
11.社会学の前提として、社会学における人間把握を考察する。
 (1)社会学的人間としての「社会的存在」とは、どういうことか。経済学  や政治学など他の社会科学との対比によって、その理解を深める。
2 (2)「社会的存在」の超常識的な意味を考察する。
   例として、自己、知覚、自然の常識的な把握を取り上げ、それぞれを  「社会学化」しながら、捉え直す。
3 (3)「社会的存在」を<集団>と<文化>の観点から、より理解を深める。
   欲望、準拠集団、言語、価値などを扱う。
42.社会学上の基本的なテーマを扱いながら、社会学の方法を理解する。
 (1)自殺と社会について、デュルケームの立場から考察する。
5 (2)宗教と資本主義について、ウェーバーの立場から考察する。
6 (3)自由と近代について、フロムの立場から考察する。
73.日常的な相互行為に議論を移し、より具体的に1つの社会学的な見方を紹 介する。ここでは、ゴフマンの観点から対面的状況での相互行為をテーマ として取り上げる。
8 (1)「パフォーマー」と「オーディエンス」というモデルから、相互行為  を把握する。
  「パフォーマンス」とは何か?
9 (2)複数のパフォーマーの全体としてのパフォーマンスを、「チーム」の  観点から捉える。
  「チーム」とは何か?
10 (3)パフォーマンスが行われている場について考察する。
  「局域」という考え方。
11 (4)相互行為における「分裂的な役割」について考察する。
  入り乱れるパフォーマーとオーディエンスのモデル。
12 (5)「役柄から外れたコミュニケーション」について考察する。
  やってはならないことをやっている、そこに焦点を当てる。
13 (6)<望ましい印象>を与えるための「印象管理の技法」について考察す   る。

  

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