2006/02/25更新
○講義概要 |
「イエス・キリスト」とは、いわゆる固有名詞ではなく、歴史上に実在したナザレのイエスという人物に関する神学的主張である。本講では、新約聖書諸文書、特に共観福音書にみられる歴史上の人物としてのナザレのイエスの姿に取り組むことをとおして、ナザレのイエスの本質に迫る。また、講義の際には、ナザレのイエスの生涯に関する単なる表面的な知識の獲得にとどまらず、ナザレのイエスの生涯が一人ひとりの心に語りかけるメッセージに常に耳を傾けるように努めたい。なお、本講は、前期の新約聖書概説の講義内容に相当する、新約聖書に関する基礎的知識を必須の受講要件とする。
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○評価方法 |
出席状況(20%)、リアクションペーパー(20%)、後期学期末試験(授業期間中)(60%) 出席と受講態度を重視し、4回以上の欠席で自動的に単位取得不可となる。 また、遅刻は、講義の進行を著しく妨げ、他の受講者に多大な迷惑となるので、毎回大幅な減点対象となる。 なお、初回の授業の際に諸注意事項を説明するので、受講希望者は必ず初回から出席すること。
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○テキスト |
『新共同訳―新約聖書/新共同訳―聖書(旧約聖書続編つき)』 、日本聖書協会(毎回必携)。 共同訳聖書委員会(監修)『バイブルアトラス 「聖書新共同訳」準拠聖書地図』 翻訳・解説:池田裕、日本聖書協会、1999年。
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○参考書 |
百瀬文晃『イエス・キリストを学ぶ―下からのキリスト論』、サンパウロ、1986年。 Joachim Gnilka, "Jesus von Nazaret. Botschaft und Geschichte" , Freiburg-Basel-Wien: Herder, 1997 (5. Aufl.). Gerd Theißen / Annette Merz, "Der historische Jesus" , Göttingen: Vandenhoeck, 1997 (2. Aufl.).
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○授業計画 |
1 | 導入:課題と方法論 |
2 | 現代キリスト論の根本問題:「史的イエス」の問題、多元主義的キリスト論 |
3 | イエスの周辺世界:イエスの政治的―宗教的背景 |
4 | イエスに関する源泉資料(1):キリスト教外資料 |
5 | イエスに関する源泉資料(2):キリスト教資料 |
6 | イエスの生涯(1):イエスの誕生、洗礼者ヨハネとイエス |
7 | イエスの生涯(2):「神の国」の使信、イエスと「貧しい者たち」 |
8 | イエスの生涯(3):イエスの奇跡―奇跡物語伝承 |
9 | イエスの生涯(4):イエスの「受難」 |
10 | イエスの生涯(5):イエスの「復活」(a):信仰告白伝承 |
11 | イエスの生涯(6):イエスの「復活」(b):復活物語伝承 |
12 | 学期末試験 |
13 | キリスト論の教義:キリスト論の伝統的教義、宗教的多元性におけるイエス・キリスト |
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